特集
ネットワークの運用・管理(事例8)
広島修道大学
1.はじめに
本学は、商学部、人文学部、法学部、経済科学部の4学部からなる文科系総合大学で、現在、教育研究系ネットワークのアカウントの実数は、教員136名、学生3,549名である。そして、今後は全教員、全学生にアカウントを取らせるようにしたいと考えており、その場合のアカウント数は教員160名、学生5,700名となる。
2.ネットワーク管理体制
ネットワークの管理は情報センターが担当しており、人的構成は以下の通りである。
情報センター長 |
教員兼務 |
1名 |
情報センター次長 |
教員兼務 |
1名 |
情報センター課長 |
専任職員 |
1名 |
情報センター職員 |
専任職員 |
2名 |
〃 |
臨時職員 (昼間 9:00〜17:00) |
1.5名 |
〃 |
臨時職員 (夜間 17:00〜21:00) |
2名 |
計 |
8.5名 |
また、外部委託については以下の通りとなっている。
3.ネットワーク規程作りへの取り組み
現存するものでは、情報センター規程、情報センター利用細則等があるが、現行規程では不足している点があったため、さらに、大学全体のネットワーク環境を視野に入れた新規程を作成することとした。
規程の作成にあたっては、特に以下の2点について留意した。
まず、大学全体のネットワークを管理運営する委員会として、「ネットワーク管理委員会」を設置し、大学の教育研究並びに事務に関わるネットワークに関する最高審議機関と位置付ける。また、規程によってユーザへの規制を強めることなく、プライバシーおよびネットワークの維持管理上の問題を起こさないよう運営する。(「新ネットワーク管理規程」については次ページ以降を参照。)
今後の課題としては、ネットワーク管理規程と情報センター規程等との整合性を保った規程改正を検討していき、適切な運営に努めることがあげられる。
4.セキュリティ管理
セキュリティ管理については、組織的対応では、情報センターの人員確保と職員の資質向上に努めるようにしており、また、技術的対応では、人的問題もあってアウトソーシングをしているが、情報センター長の元に基本方針を定め、対応している。
5.ユーザへの教育
学生へのネットワークリテラシー教育、情報倫理教育については、授業の中で多く行っているが、情報倫理についてはアカウント発行時に説明など行い、注意している。また、メール講習会などを情報センターが開催し、指導している。
なお、今後はユーザへのネットワークリテラシー教育、情報倫理教育についての冊子を作り、指導の際やユーザがネットワーク利用時に行き詰まったときの参考資料としたい。
広島修道大学ネットワーク管理規程
(目的)
第1条 この規程は,広島修道大学・広島修道大学短期大学部(以下「本学」という。)の情報ネットワークの適正かつ効率的な管理運用を目的とする。
(定義)
第2条 この規程に定める「ネットワーク」とは、以下のコンピュータ通信にかかわる装置・設備及び関連事項をいう。
- 本学構内間および各建屋間を接続する基幹LANに関わる通信回線及びその接続装置
- 各建屋内の各室の情報コンセントまでの通信回線及びその接続装置
- 上記回線上で稼動するサーバーシステム
- 本通信回線運用上必要なIPアドレス、サブドメイン名、通信プロトコル等のLAN関連事項
(委員会)
第3条 第1条に掲げる目的を達成するために、広島修道大学ネットワーク管理委員会(以下、「ネットワーク管理委員会」という。)を置く。
2 ネットワーク管理委員会に関する規程は別に定める。
(管理者等)
第4条 ネットワークの円滑な運用を進めるため、ネットワーク管理者及びネットワーク運用責任者を置く。
2 ネットワーク管理者は学長とし、ネットワーク運用責任者は情報センター長をもってあてる。
3 本学のJPNIC(社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター)登録の代表者は学長とし、JPNIC登録の登録担当者は情報センター長をもってあてる。
(管理範囲)
第5条 本管理規程の対象とするネットワークの範囲は以下の通りとする。
- 学内基幹LANおよびその関連機器
- 外部機関との接続に関わる回線網及びその関連機器
- 各建屋内の配線及び接続関連機器、各室の情報コンセント
- 対外接続及び関連機器
2 情報コンセント以降の、配線や機器は各利用者の管理とする。
(管理者等の業務)
第6条 ネットワーク管理者は、以下の業務を行う。
- 構成管理に関すること
- 障害管理に関すること
- 性能管理に関すること
- セキュリティ管理に関すること
- その他、ネットワークの管理に必要な事項
2 日常的な維持管理のため、ネットワーク運用責任者の指揮のもとに情報センターは以下の業務を行う。
- DNSサーバ等のネットワーク関係サーバの管理運用
- IPアドレス、サブドメイン名、ホスト名の管理
- 通信経路の維持
- ルータ等の維持管理と経路制御
- その他、ネットワークの運用に必要な事項
3 これらの業務に必要な規則、管理手続き等必要な事項は、別に定める。
(利用者)
第7条 ネットワークを利用できる者は、以下の通りとする。
- 本学の教職員
- 本学の学生
- ネットワーク管理者が認めた者
(機器の接続)
第8条 ネットワークに機器を接続できる者は、以下の通りとする。
- 本学の教職員
- 本学の学生
- 本学の学部、研究科、研究所等の教育研究組織
- 本学事務組織
- ネットワーク管理者が認めた者
(接続申請)
第9条 機器をネットワークに接続しようとする者は、ネットワーク管理者の承認を得なければならない。この接続に必要な規則、手続き等必要な事項は、別に定める。
(使用停止等)
第10条 以下の事項に該当する事態があった場合、ネットワーク運用責任者は、利用者に改善を求めるとともに、事由によっては、事態が改善するまでの間、接続機器の切り離しまたは使用停止等の仮の措置をとることが出来る。
- 利用者がネットワーク利用の諸規程に反する場合
- 本学または外部のネットワークシステムに重大な損害または不利益を与えた場合
- ネットワークの円滑な運用を妨げる行為のあった場合
- その他、ネットワーク管理者が必要と認めた場合
- ネットワーク運用責任者は、前項の仮の措置をおこなった場合には、速やかにネットワーク管理者に報告しなければならない。
3 ネットワーク管理者は、ネットワーク管理委員会の議を経て、最終的な措置を決定する。
(規程の改廃)
第11条 この規程の改廃は、大学評議会の議を経て学長がこれを行う。
附則
1.この規程は、1999年(平成11年)4月1日から施行する。
広島修道大学ネットワーク管理委員会規程
(設置)
第1条 この規程は、広島修道大学ネットワーク管理規程第3条に基づき、広島修道大学ネットワーク管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員会の審議事項)
第2条 委員会は、次の各号に掲げる事項を審議し、学長に対し答申又は提議する。
- 学内ネットワークの敷設または設置に関すること
- 学内ネットワークの管理および運用に関すること
- 学内ネットワークの保守、保安に関すること
- 学内ネットワークの利用に関すること
- 学外ネットワークの利用に関すること
(委員会の構成)
第3条 委員会は、次に掲げる者を委員として構成する。
- 副学長 1名
- 各学部長 各1名
- 教務部長、図書館長、大学事務局長及び情報センター長 各1名
- 管財課長、事務開発課長及び情報センター課長 各1名
- 学長から委嘱を受けた専任教職員 若干名
(任期及び交代)
第4条 前条第5号の委員の任期は、2年とする。ただし、補充委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 前条の委員は、再任されることができる。
3 前条第1号から第4号の委員が、当該役職を交代したときは、直ちに後任者と交代するものとする。
(委員長及び副委員長)
第5条 委員会に、委員長及び副委員長各1名を置く。
2 委員長は、第3条第1号の委員をもって充て、副委員長は、委員会の同意を得て、委員長が指名する。
3 委員長は、委員会を招集し、その議長となり、議事を総括する。
4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代行する。
(定足数及び決定数)
第6条 委員会は委員数の過半数以上の出席をもって成立する。
2 委員会の議事は、出席委員の3分の2以上の同意により決する。
(委員会の専門部会)
第7条 委員会は必要に応じて専門部会を設置することができる。
2 専門部会の構成には、委員及び委員以外の教職員を加えることができる。
(委員会の事務)
第8条 委員会に関する事務は、情報センターにおいてこれを担当する。
(規程の改廃)
第9条 この規程の改廃は、大学評議会の議を経て学長がこれを行う。
附則
1. この規程は、1999年(平成11年)4月1日から施行する。ただし、第3条第5号の委員の任期は、1999年度に限り1年とする。
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