平成11年5月31日 |
私立大学情報教育協会 |
情報教育研究委員会第一分科会 |
問題発見・解決能力育成の授業展開
問題発見の過程は、漠然とした問題意識を解決するための問題として明確な形に構成する過程である。通常、問題は解決し得る明確な形になっていない。そのため、問題解決の前に問題発見の過程が必要である。
問題発見の過程は、「問題状況の把握→問題状況の表現→問題状況の分析→モデル化→問題構成」という5つの階層に分けてとらえ、それぞれの階層における手法を明確にしたものである。そのため、階層ごとに順にその手法をたどっていくと、問題を明確な形に構成し、問題発見ができる。
この問題発見の過程は、情報の収集、整理・分類、要素間の関係、モデル化等情報に関する基本的な考え方を随所に使うもので、操作技能型の情報教育では取り扱われていなかったものである。
これに対して、問題解決の過程は、データ解析の手法を用いて数学モデルを構成し、これを用いて予測を立てる過程である。一般に、収集したデータは複数の多変量解析の手法を使わないと解析できないものが多い。基礎的情報教育の教材としては、データ解析の側面からは容易なものをしようするのが適当である。
インターネットコミュニケーション能力育成の授業展開
高度な情報ネットワークを介したコミュニケーションが日常的に行なわれている今日の社会においては、インターネットコミュニケーションによって、社会的経済的資源として創造された情報・知識が流通し、それが共有されるため、インターネットコミュニケーション能力は、基礎的情報教育で育成すべき重要なものである。
上述の問題発見・解決の過程においても、関係する人々とのコミュニケーションなしには、解決への道はたどれなくなっている。特に、インターネットは、コンピュータの向う側にいる人と人とのコミュニケーションを実現しているため,
今日の社会ではインターネットコミュニケーション能力なしには、創造された情報・知識の共有は実現し得ないのである。
プレゼンテーション能力育成の授業展開
基礎的情報教育は、学習の成果を、1つ1つの課題ごとに明確な表現によるプレゼンテーションして、他者に正しく、わかりやすく伝達することで、課題に関する学習がしめくくられることになる。この意味からプレゼンテーション能力は、問題発見・解決の過程の学習においても、インターネットコミュニケーションの過程の学習においても、当然その学習過程の中で必要とされるものである。
前提能力としてのモジュール