文部省ニュース2

平成12年度情報関係補助金の文部省概算要求決定される



 文部省は、去る8月31日に平成12年度概算要求をとりまとめ大蔵省に提出した。
 12年度予算に対する政府の概算要求方針は、景気回復を後押しするとのことから、11年度当初予算に比べ2%台の伸び率を確保する積極型予算とする方針を7月30日の閣議で決定した。具体的には、公共事業5,500億円、非公共事業2,500億円の経済新生特別枠、重点化枠を設け、21世紀の情報化や高齢化などに対応した新産業の創出や、経済基盤の整備を目標とするのを狙いとしている。
 そのような中で、経常費補助金については、情報通信・科学技術・環境等経済新生特別枠での活用を含め、11年度予算に対し80億円(2.7%)増の3,086億5,000万円を要求することにした。増額の全ては特別補助となっている。新たに特別枠で要求の「バイオ・ベンチャー研究開発経費」の20億円を含む高度化推進特別経費は49億9,800万円の増、 高度情報化推進特別経費は25億7,800万円の増、大学改革推進特別経費は6億3,300万円の増、国際交流特別経費は同額、生涯学習推進特別経費は2億円の減となっている。
 特に、高度情報化推進特別経費については、本協会の要望が最大限に配慮され、対前年度18.2%増の総額167億円が概算計上された。増額幅も特別補助の中では高度化推進特別経費の14.8%を抜き最も高くなっており、12年度予算は情報化推進と高度化推進に重点がおかれた要求となった。
 概算の内訳は、全面的に協会が要望した通り、「情報処理関係設備(借入)」は、対象件数の増を図るとして18億円増の100億6,600万円、「教育学術情報ネットワーク」でも対象件数の増を図るとして10億円増の45億4,200万円が積算計上されている。なお、「教育研究用ソフトウエア」は、前年同額の11億5,800万円、「教育学術情報データベース等の開発」は、申請実績に見合った規模とするため協会の要望通り、2.5億円程度減額の9億3,900万円が計上されている。また、教室等のマルチメディア化に伴う維持運営費を計上した大学改革推進特別経費の「教育・学習方法改善支援事業」は、ほぼ協会の要望に沿って前年度同額の15億3,600万円が要求されている。ノートパソコン貸与事業を含む「特色ある教育研究の推進」は、全体として前年同額の44億2,800万円が計上されている。
 私立大学・大学院等教育研究施設整備費補助については、11年度に比べ12億9,500万円増の、総額201億1,400万円の要求となった。その内、11億5,000万円は経済新生特別枠で私立大学学術研究高度化推進事業の新規事業として「バイオ・ベンチャー研究開発拠点整備事業」が含まれている。学術フロンテイア、ハイテクリサーチは、前年同額。私立大学ジョイント・サテライト事業の内、衛星通信活用プログラムは、申請実績に見合った要求とするため、1億円減の2億5千万円、移動体情報通信ネットワーク活用プログラムは、前年同額の1億2,500万円、総額3億7,500万円の要求となった。
 学内LAN整備費事業も協会の要望通り、前年同額の15億円が計上された。また、教育・学習方法高度情報化推進事業は、協会としては11年度より16億円増の27億円の要求を行ったが、経常費補助で大幅な増額を計上していることと、予定される11年度2次補正予算での対応を配慮して、5,500万円増の12億2,500万円の要求となった。
 私立大学研究設備補助金の情報処理関係設備(1,000万円以上の購入補助)は10億円を要望したが、2次補正予算での対応も踏まえ前年同額の5億8,800万円にとどまった。また、私立大学等教育・学習方法高度情報化推進設備(工事を伴わない1,000万円以上の情報機器)は、協会の7億円の要望に対してほぼ要求通り3,100万円増の6億9,100万円が要求されている。
 本協会としては、文部省の概算要求に先立ち、6月に全国の私立大学、短期大学等を対象に情報関係の国庫補助希望調査を実施し、その調査結果を踏まえて私立大学側の要求を次頁の通りとりまとめ、8月上旬に文部省に要望した。

平成12年度情報関係文部省概算要求

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