平成15年度
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9月9日(火) |
開会挨拶 | |||
社団法人 私立大学情報教育協会 戸高 敏之会長 | |||
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基調講演 「e-Learningの実現に向けて --大学におけるe-Learningの可能性と限界---」 |
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青山学院大学経営学部教授 玉木 欽也氏 大学教育においてe-Learningを実現するためには、e-Learning導入の前提条件を克服することが必要であることを指摘され、学習コースの開発や運営のため、学習管理システムの有効活用、各種の専門スタッフの必要性と役割を示された。さらに、科学的な授業設計法であるインストラクショナルデザイン(ID)の概念、プロセス、学習効果評価方法のポイントについて示され、学習管理システム(学習支援機能、コミュニケーション支援機能、システム管理機能)について事例を紹介され、将来の学習管理システムが具備すべき事項を整理された。 |
事例紹介「学習状況の測定と学習支援のためのe-learningの活用」 | ||
文教大学湘南情報センター長 宮川 裕之氏 教育評価のねらいは、学生の教育目標の達成状況を測定し、たえず反省・改善することで教育内容を充実させ、学生の能力を伸ばすことである。これらを実現するためのe-Learningによる学習支援機能として、同大学で実践されているe-Learningによる学習モニター、学習順序を統制する学習進行管理システムについて事例紹介された。 |
「MJeN (Malaysia Japan e-learning
Network) プロジェクトにおける マルチメディア専門教育用SCORM型教材の作成と評価」 |
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京都大学学術情報メディアセンター教務技官 元木 環氏 e-learning技術標準のSCORM 型に基づいて、教材開発プラットフォームの拡張、教材設計、作成、実験授業(相互共有)まで一連の過程を、手書き入力レポートなどシステム拡張も含めて実施した事例を紹介された。 システムの安定性、プラットフォームや開発環境の柔軟性、手書き入力システムなどツールの操作性の向上などが求められることが明らかになったことが報告された。 |
「同期型講義を活用したSCORM対応e-learning教材作成と学習支援--アジア工科大学(タイ)との共同実験--」 | ||
東京工業大学教育工学開発センター助教授 中山 実氏 実際の講義内容から効果的なe-learning教材を作成する手法を検討した上、開発した事例を紹介された。e-learning教材作成にあたっては、SCORM 規格に準拠させるために簡単なID の技法を用いる方法を実際の講義を基に検討して構成した。その結果、非同期型学習コンテンツ作成における所要時間を従来の45%にまで短縮することが可能であることが示された。また、従来までの方法と比較して、時間だけでなく工数も減らすことができることも紹介された。 |
紹介「教育の情報化、e-Learningに関する経済産業省の取り組み」 | ||
経済産業省商務情報政策局情報処理振興課課長補佐 田代 秀一氏 AEN(アジアE-learningネットワーク)の各国の活動内容や2003年度の国内での活動内容や今後などの話題を中心に紹介された。 |
講演「e-Learningの実現とコンテンツの標準化の意義」 | ||
九州国際大学法学部助教授 中村 壽宏氏 e-Learningにおける教育コンテンツの標準化には、SCORM型の規格など構造の標準化とインストラクショナルデザインなどコンテンツのインターフェイスデザインの標準化があることを示された。また、インストラクショナルデザインについては、コンテンツを実際に作成し利用する教員の立場からその重要性を述べられた。 |
講演「デジタルコンテンツ標準化の動向」 | ||
東京大学国際・産学共同研究センター長 安田 浩氏 現在はコンテンツ流通時代への転換期にあり、DRM(デジタル著作物保護の技術)は未熟で、日本の技術によるコンテンツ流通の実現と、コンテンツ立国に貢献することを期待している旨を述べられた。さらに、コンテンツ作成の裾野を広げることの重要性と、そのためには地方自治体を中心とする行政機関によるコンテンツ作成の場作りへの積極的な支援が期待されることも指摘された。 |
社団法人 私立大学情報教育協会の活動 | |
社団法人 私立大学情報教育協会事務局 当協会の活動について全般的な説明を行った後、現在、進められている大学等電子著作物権利処理事業について、その概要や今後の予定について紹介した。 |
9月10日(水) 大会発表(67件) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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9月11日(木) |
「ネットワークセキュリティポリシーの実現を目指して」 | |
社団法人 私立大学情報教育協会 学内LAN運用管理小委員会 運営委員長・南山大学数理情報学部教授 後藤 邦夫氏 運営委員・朝日大学経営学部教授 奥山 徹氏 最初に、奥山氏より、ネットワークに関する大学の特殊性や状況、セキュリティに関わる社会的な問題、そのためのセキュリティーポリシー策定のパターンを紹介された後、留意点などを指摘され、私立大学情報教育協会で8月に実施された「学内LAN運用管理講習会」でのアンケート調査結果などが紹介された。次に、後藤氏より、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS) について解説された後、南山大学におけるISMS構築事例を具体的に紹介された。 |
技術動向1 「デジタルペーパーの新技術動向 --教育現場から見た次世代ディスプレイの可能性--」 |
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総論 武蔵工業大学環境情報学部助教授 横井 利彰氏 (大会運営委員) 今年度末には一部が商品化されることになるデジタルペーパーについて、その原理や現在の技術水準など概要を説明された後、大学の教育現場での将来性について示唆された。
株式会社リコーからは ReWritable Paper System 、凸版印刷株式会社からはE Ink 電子ペーパー、大日本印刷株式会社からはフレキシブル有機ELについて紹介され、各社のデジタルペーパーへの最新技術と今後の展開について紹介された。 |
技術動向2「携帯端末の技術動向」 | |
松下電器産業株式会社 シャープシステムプロダクト株式会社 松下電器産業株式会社からは読書用端末としてΣブックの機能紹介と教育現場での活用の提案がなされ、シャープシステムプロダクト株式会社(シャープ株式会社)からはPDAとしてザウルスについて紹介された。 |
講演「デジタル教材・教科書の現状と将来」 | |
東京電機大学出版局編集課長 植村 八潮氏 e-Learningが教育界、産業界、出版界などあらゆる分野でブームとなっている一方、デジタル化に適してないコンテンツなども多く見られることを指摘された。さらに、教育現場に携わる大学関係者は、コンテンツをデジタル化とするか従来の紙媒体のままにするかについては、コンテンツの特徴に配慮すべきであること、デジタル化にあたっては教育のカリキュラムの中でどこをデジタル化すれば効果的であるのかに配慮すべきであることを示された。 |
9月10日(水)・11日(木) 展示会 (40社、37ブース) |
出展企業・内容 | ||||||
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