平成16年度
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9月7日(火) |
開会挨拶 | |
社団法人 私立大学情報教育協会 戸高 敏之会長 |
事例紹介 「e-Learningへの組織的な取り組み」 |
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「e-Learningによるリメディアル教育の実践と高大連携への展開」 | |
千歳科学技術大学光科学部助教授 小松川 浩 氏 日本の教育機関での理数系の基礎学力の低下は、深刻な問題とされている。これに対し千歳科学技術大学では、高等教育でのリメディアル教育の支援のため、高大連携プログラムを推進し、e-Learningを介した効果的な教育改善を図った。この講演では今回の取組みについての一連の概要、高大連携プログラムの内容、取り組みの結果として構築したe-Learningシステムを活用した実践事例が紹介され、将来展望が述べられた。 |
「教育学習支援と大学生活情報のための統合的システム」 | |
明治大学政治経済学部教授 安蔵 伸治 氏 明治大学では「Oh-o!Meijiシステム」という大学空間に存在する教育研究情報とそのために必要なあらゆる生活情報を提供し、大学での教育研究活動と生活がネットワークを介して行えるようなシステムが構築されている。その軸となる2つのシステム「Oh-o!Meijiクラス・ウェブ」と「Oh-o!Meijiポータル・ページ」についての運用事例、今後の展開について紹介された。 |
「e-Learningによる大学通信教育課程の実践と評価」 | |
早稲田大学通信教育課程教務主任 西村 昭治 氏 早稲田大学ではブロードバンドの普及によりデジタルキャンパスコンソーシアム等の試みでオンデマンド授業や衛星通信を利用しての遠隔講義などのノウハウが蓄積されており、通信教育課程では 従来のテキストを読んでレポートを作成・提出するという仕組みから、より通学制に近い形態の教育の場を提供し、カリキュラムも通学制のものを基本的に踏襲している。本報告ではこのeスクールの開設の趣旨からはじまり、1年間の実践結果の概要が紹介された。 |
事例紹介 「各教育分野におけるe-Learningの活用」 |
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「社会科学系教育におけるe-Learningの活用」 | |
武蔵大学経済学部教授 松島 桂樹 氏 現在多くの大学が従来の典型的な一方向的な知識提供から学生の多様なニーズに適した知識へとナビゲートする双方向性の役割が重要であると考え、eラーニングに取り組んでいる。この講演では多人数とのコミュニケーションを重視した双方向の授業や携帯を使用した情報交換など経営学教育における実践事例と今後の課題について述べられた。 |
「情報系教育におけるe-Learningの活用」 | |
東京工科大学メディア学部長 山口 治男 氏 e-Learningには質の高い教材と新しい教育方法の提供や授業改善などの可能性がある。この講演では東京工科大学におけるe-Leaningを取り組むにあたっての目標、学生必携ノートPC及び共通ソフトの選定、情報メディア環境の現状やシステム活用状況、サポート体制、セキュリティ問題、取組み後の効果などが紹介された。 |
「医学教育におけるe-Learningの活用」 | |
東京女子医科大学医学教育学教室教授 吉岡 俊正 氏 現在の日本の医学部では1学年100名前後の学生が同じカリキュラムで教育を受けることが多い。多数の学生に多様化した医学知識と技術、問題解決能力・プロフェッショナリズムなどを個人のレベル・ニーズに合う教育を行うためにe-Learningが活用できる。この講演では「多数の学生が同時に学ぶためのIT活用」と「学生が個人のレベル・ニーズに応じて学ぶためのIT活用」についての事例が紹介された。 |
パネルディスカッション | ||||||||||||||||||||||||||||||
「e-Learning導入のノウハウと今後の課題」 | ||||||||||||||||||||||||||||||
午前中にご講演いただいた6名の講師に加え、コメンテーターとして青山学院大学の玉木氏に加わっていただき、フロアからも様々なご意見をいただき、活発なディスカッションを行うことができた。 冒頭に、玉木氏よりe-Learningについて以下のポイントを上げられた。 1)e-Learningを用いることにより新しい授業方法が開発され、教育の向上、学生への動機付けに寄与する 2)LMS等により教育支援が整ったが、今後は学生の学習環境、生活環境を整え、自学自習に役立てていく方向性が必要ではないか 3)知識獲得だけでなく、概念を学ぶことができ、あるいは実習授業に役立つような質の高いコンテンツを、どのように作成していけばよいか 4)持続可能な取り組みをするための大学内、大学間、高大等の組織作りをいかに行うか 上記を踏まえて意見交換を行い、「コンピュータを使いこなせることが比較優位だった時代は終わり、これからはITやネットワーク技術を道具として、いかに質の高いコンテンツを作成するかが重要」であるという認識が共有された。特に最後の組織作りでは、パネラーからこれまでの苦労話も紹介され、「(中堅規模の)大学ではLMS等は他で作成したものを用いれば良く、授業の中身を自学で責任をもって作成することが最重要である」という意見が出された。 |
私情協の事業紹介および補助金活用の留意点 |
「授業情報技術講習会 e-講習(ネットワークによる自学自習)の実施」 「教育改善のための産官学連携と今後の課題」 「情報化関連補助金活用の留意点」 |
社団法人 私立大学情報教育協会事務局 当協会で実施している「授業情報技術講習会・e-講習(ネットワークによる自学自習)」に関する説明と参加者募集について紹介された後、教育改善のための産官学連携と今後の課題、情報化関連補助金活用の留意点等について説明された。 |
9月9日(木) |
e-Learningと著作権 |
「オンラインによる著作権処理への私情協の取り組み」 |
社団法人 私立大学情報教育協会事務局 当協会ではインターネットを介して、大学または大学関係者が日々作成する教材、講義ノート、研究用の素材、資料などを電子化したコンテンツ(電子著作物)の著作権処理の代行を開始することとなり、その電子著作物権利処理事業の概要やメリットについて紹介した。 |
「著作権に関する留意点とQ&A」 | |
東京大学先端科学技術研究センター 知的財産権大部門教授 玉井 克哉 氏 電子著作物を取り扱う際に注意すべき点、許諾の必要性などについて、事例を上げながらわかりやすく紹介された。 |
紹介 「ユーザによる教育・学務関連システム紹介」 |
「タブレットPCを用いた自学自習教材作成システム」 |
武庫川女子大学薬学部教授 松山 賢治 氏 薬学治療学の教育範囲は多岐に渡り、総合的な教育が必要で、市販の教科書では決して対応できない憾みあがる。そこで短時間、低コストで研究室単位でも簡便に取り組めるタブレットPCにSKYMENU Digital Chalkをインストールして作成したIT教材を使用し講義を行う事例について紹介した。 |
「多目的活用のための教材開発ツールと授業支援のシステムの連携」 |
玉川大学情報システムメディアセンター福センター長 橋本 順一 氏 e-Learning教材の開発ツールと授業支援システムとの連携について実践事例を紹介され、システムのメリットと今後の課題について明確に示された。 |
「学生参加型の教育システムと成績評価」 |
甲南大学理工学部長 太田 雅久 氏 授業内容の理解を助けるため、授業後に教員と受講生がネットワークを通して、コミュニケーションのとれるBBSを中心としてシステムを開発され、その概要、特色、実施状況と成果、今後の課題について紹介された。 |
「Webによるクラス授業支援システム」 |
関西大学工学部教授 冬木 正彦 氏 授業と学習を統合的に支援するWeb型自発学習促進クラス授業支援システム(CEAS)の導入経緯、特徴と機能、特長を活かした教育事例について紹介された。 |
「Webによる就職支援サービス」 |
東洋大学情報システム部事務情報システム課課長 高橋 清隆 氏 東洋大学の学部数・学生数・教員数など概要、Webを介した就職支援システムの導入経緯、システムの概要と機能、特徴・メリット、今後の課題を述べられ、画面のサンプルが紹介された。 |
「学生情報のデータベース化とポータルサイトシステム」 |
早稲田大学メディアネットワークセンターマネージャー 久保田 学 氏 同大学の情報化推進プログラムに基づいた新たな職員業務を改革と、その一つとしてWaseda-netポータルの目的、概要、機能、今後の課題について紹介された。 |