JUCE 公益社団法人 私立大学情報教育協会
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平成25年度

教育改革FD/IT理事長学長等会議 開催報告

開催日 平成25年8月1日(木)
会  場 工学院大学(新宿キャンパス)
主  催 公益社団法人 私立大学情報教育協会
テーマ 未来を切り拓く大学教育のイノベーションを考える
開催趣旨  我が国は、経済・財政の低迷、少子高齢化による社会活力の低下、グローバル化による国際競争力の低下など課題が山積しており、国民一人ひとりが危機意識を共有し、多様な力を組み合わせて協働・共生する中で、地域社会をはじめ地球社会の発展に主体的に関与していく人材育成が急がれている。
 このような社会的要請を受けて、平成24年8月の文部科学省中央教育審議会の答申(「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」)では、自分で人生を切り拓いていく主体性を伸ばす大学教育が喫緊の課題であるとして、改革サイクルが機能する全学的な教学マネジメントの確立を大学の責務と指摘している。
 また、文部科学省は25年度から政府が今後5年間に取り組むべき具体的施策を「第2期教育振興基本計画」原案としてとりまとめ、その中で大学教育については「・・課題探求能力を身につけられるよう、学生の主体的な学びを確立する。このため、十分な質を伴った学修時間を欧米並の水準にすることや学修環境の整備などによる大学教育の質的転換などを図る」としており、人材育成の強化こそが直面する危機を回避させるとしている。
 今、正に大学に求められているものは、教育改革の成否が国・社会の発展に大きく影響してくることに大学及び教職員が危機感を持ち、自らの使命として社会との連携を含めた教育の質向上に立ち向う行動が望まれていると言えよう。
 そこで、本会議では大学教育のイノベーションを考察するため、能動学修(アクティブ・ラーニング)に不可欠なプロブレム・ベースド・ラーニング(問題発見解決型学修)の課題を整理するとともに、学生の自律的学びを深化させる学修ポートフォリオの活用法など質保証への対応について理解を深め、大学として行動すべき教学マネジメントの効果的な在り方を探求することにしたい。
参加対象
  加盟大学・短期大学の理事長、学長、理事、副学長(学長補佐)、学部長、教務部長(教員限定)、短期大学の学科長
参加者数  

142名(80大学、5短大)


13:00 会長挨拶

向殿 政男 氏(公益社団法人 私立大学情報教育協会)
  会場校挨拶

高田  貢氏(学校法人工学院大学理事長)


13:15

講演
「主体性を育む学びのイノベーション −PBL(問題発見解決型学修)の導入と課題」

講 師:安西 祐一郎氏(中央教育審議会副会長、日本学術振興会理事長)

 主体性は、学生自らが目標を持つことで芽生えるものであって、教員から身につけさせるものではない。答えのない問題を自分で考え、仲間と議論し、何かを新しく生み出していく教育方法の一つとしてPBL(プロブレム・ベースド・ラーニング)を位置づける必要がある。その上で学生の心に主体性が生まれるように最適な学びの環境を教員・職員が考え出し、自主的に整備していく課題について産学連携授業の実践例も含めて紹介いただいた。



14:30

講 演
「自律的な学修の深化と教育成果の質保証を点検する学修ポートフォリオの活用と課題」

講 師:岩井  洋氏(帝塚山大学学長)

  学生には学びの振り返りを通じて効果的な学修プロセスを身につけさせる、教員には学修行動から学修成果の達成度を明確化させる、教学組織にはカリキュラムの見直しを働きかける、ツールとしての学修ポートフォリオ導入の意義と活用方法及び課題について、実践事例を踏まえて紹介いただいた。



15:10  休憩(20分)

 


15:30

全体討議
「未来を切り拓く人材教育のイノベーションを考える」

話題提供:
「学修過程の把握(IR)と教育改善への活用」
山田 礼子氏(同志社大学高等教育・学生研究センター長)

「5年先を目指した教育改善モデルの提案(経済学)の例」
林  直嗣氏(法政大学経済学部教授、本協会経済学教育FD/ICT活用研究委員会委員長)

「大学教員に求められる教育力の考察」
井端 正臣氏(本協会事務局長)

 学修過程の把握(IR)と教育改善への活用の話題提供を踏まえて、教育の質的転換を図るための教育プログラムの仕組み、アクティブ・ラーニングのイメージ、学修支援の環境、学修成果の点検・評価、教員の教育力のイメージとFD対策、大学組織としての対応について意見交流し、教育イノベーションの可能性を探求した。


山田 礼子氏


林  直嗣氏


井端 正臣氏



 17:00 

関連情報提供

「無料、双方向公開オンライン講座(MOOC)を利用した学びの革命」
「学士力に求められる情報活用教育への課題」
「24年度における教育への情報化投資の実態」


17:40 懇親会