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分科会概要

第1分科会  学生の主体的な学びを支援するための学生情報の活用

 各大学が掲げる「学士力」を学生に確実に身につけさせるためには、教職員それぞれが専門性、組織的対応力を発揮し、連携・協働する中で学生の学びを支援し、指導や助言の質を保証する戦略が問われている。電子的な「ポートフォリオ」や「学生カルテ」などのシステムは、目的ではなく手段である。重要なことは、学生情報の活用を通じて現状の問題を整理・分析、共有し、学びの支援を組織的に取り組めるようにする情報通信技術活用のマネジメントである。
 本分科会では、学生情報を組織的に活用する事例を踏まえ、実践的な学習支援の情報活用モデルの構想作りを通じて、学生一人々の質を保証する支援の仕組みを探究する。

討議テーマ

・「学習ポートフォリオ」活用の可能性と課題

 学生自ら授業の到達目標に対する学びの成果を点検・評価し、自信がない点・できない点を明らかにする情報通信技術を活用したポートフォリオ構築の意義を確認する。その上で、大学としての補完学習、個人学習の体制など学士力の質保証支援の仕組みを探求する。

・「学生カルテ」情報の具体化と組織的な活用戦略の策定

 一人々の学生を支援するため、学生の基本情報、成績・進路情報、相談・指導記録情報などの個人情報を教職員が総合的に共有する「学生カルテ」の内容について整理し、学生情報の一元管理のあり方、組織的な活用戦略について探求する。

獲得目標

  • 「ポートフォリオ」や「学生カルテ」を構築する教育的意義について理解を深める
  • 「ポートフォリオ」や「学生カルテ」を真に価値あるシステムとして活用するための組織的課題と職員の役割を認識する
  • 自大学の現状を分析し、導入によって期待される効果、その活用のための組織的な課題を整理することができる

想定する事例

  • 学生自らの「Plan-Do-Check-Action」を促す「ポートフォリオ」の構築と運用
  • きめ細かな個別支援を展開するための「学生カルテ」の構築と運用

全体進行

【1日目】
1.「ポートフォリオ」に関する事例紹介と意見交換を行う。
【2日目】
2. 「学生カルテ」に関する事例紹介と意見交換を行う。
3. 少人数グループによる創造的ディスカッションを行う(1グループ7名前後。事前のメーリングリストに投稿された「討議希望テーマ」によってグルーピング)。
  ・ 参加者相互の実情交換の中から問題の本質を探求し、討議テーマを絞り込む
  ・ ICT活用モデルを構想する
  ・ 運用面での課題を整理し、解決のための方略を導き出す
4. ディスカッションの中間的なまとめを行い、ミニ発表を行う。
【3日目】
5. ディスカッションの内容をまとめ、分科会内で発表を行う。
6. グループ間で発表内容に対する相互評価を行う。

事例紹介

・ ポートフォリオ(未定) ・ 学生カルテ(未定)  なお、メーリングリスト上での事前ディスカッションの内容を評価し、参考となる取組を展開する大学があれば、参加者にミニ事例紹介を依頼する場合もある。

事前研修

メーリングリストによる「事前ディスカッション」を実施する。その目的は、参加者が自身の問題意識を明確化し、研修会に能動的、積極的に取り組もうとする意欲を引き出すことにある。具体的には以下の話題について投稿を求め、相互コメント(少なくとも1回以上)を課す。なお、必要に応じて運営委員が適宜ファシリテートする。
・ 自己紹介を兼ね、参加の動機や自大学が直面する課題などを書き込む。
・ 討議希望テーマとその理由、背景などを書き込む。
・ 書き込まれた内容について、相互にコメントを書き込む。
・ 運営委員から参考資料を提示し、これに対する感想などを書き込む。

事後研修

メーリングリストを利用して下記の取組を行う。なお、このメーリングリストは、自由な情報交換の場としても活用いただく。
・ グループの討議内容と最終結論を"報告書掲載用バージョン"としてA4判1~2枚程度にまとめる作業を行う(12月末までに事務局に提出)。
・ 研修の成果を振り返り、今後これをどのように活かそうと考えているかといった参加者自身の「アクションプラン(200字程度)」を投稿し、相互コメントを行う。
・ 研修の成果が実践での具体的な取組に結びついた場合には、その報告を行う。

参考:昨年度の討議の様子

 事例研究、グループ討議、成果発表という一連の流れを通じて「ポートフォリオ」と「学生カルテ」の特性が徐々に明らかになり、研修会終了時点で参加者全員がそれぞれの教育的意義を識別的に認識することができた。あわせて、これらのツールを活用して学生の学びを支援するには、個々の教職員が専門性を発揮するとともに、組織的に連携・協働することが重要であるという認識を深めることができた。

 6つのグループが導き出した結論には、次のような本質的な観点が盛り込まれていた。例えば、建学の精神や教育目標との関係、学生の学びや成長を評価する規準の確立、取組の活性化を図るための組織的体制、教職員の意識変革と協働の促進、費用対効果の追求、個人情報の保護などである。参加者は、戦略的な学生支援モデルを創出するプロセスを通じて、課題解決に必要な視点を獲得するとともに人材育成支援、教育支援に果たすべき職員の役割について自覚を高めることができた。

 ★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g1.html

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第2分科会  教職協働で進める教育支援のマネジメント

 各大学では教育改善に向けた方策の実現に向け、中央教育審議会の提言も参照しながら、教職員が連携した新たな教育支援体制の構築と組織的な推進が求められている。例えば、ICTを活用した入学前学習、初年次教育、キャリア形成支援教育、体験型・双方向型授業、大学間および産学連携授業などの取組があげられるが、これらは教職協働による組織的なマネジメントがあってこそ実現する。
 本分科会では、「教職協働で進める教育支援のマネジメント」とは何かについて、上記の取組を題材にその具体像を議論し、ICTを活用した教育改善戦略とその期待される効果、推進する際の課題について検討する。

討議テーマ

・教育支援の具体例の整理

 職員が関わる教育支援にも様々な取組が考えられるが、その具体例を整理しながら、職員として何ができるか、何をしなければならないか、理想的な教育支援とはどうあるべきかという視点で捉えなおす。

・実践的なマネジメントモデルの構想

 教育支援の具体例から一つあるいは複数の題材を選び、ICTを活用した実践的な教育支援のマネジメントモデルを構想する。

・実現に当たっての課題の探求

 実践的なマネジメントモデルの構想を通じて、問題の本質を探求し、課題解決へ向けたICT活用の方略を導き出す。/p>

獲得目標

  • マネジメントモデルの構想を通じて,教職協働で進める教育支援の具体的なイメージや意義を理解する
  • 自大学において教育支援のマネジメントを展開する際の課題を明らかにする
  • 教育改善の視点からICT活用の有効性と課題を認識する

想定する事例

  • 職員による教育支援の企画・立案,マネジメントへの取組み

全体進行

【1日目】
事前準備(分科会の趣旨理解と参加者の意識合わせ)
 1.事前研修の成果を踏まえての分科会の趣旨説明
 2.全体会の事例研究に関する意見交換
 3.グループ分けとグループ討議の準備
【2日目】
事例紹介
 1.日本福祉大学における事例紹介と意見交換
グループ討議
 1.分科会の趣旨、討議テーマを意識しながらの問題、課題の洗い出し
 2.解決すべき課題(マネジメントモデル)の絞り込み
 3.ICTを活用した実践的な教育支援のマネジメントモデルの創出
【3日目】
グループ討議
 1.グループ討議のまとめと発表準備
グループ発表と相互評価
 1.グループ討議で創出したマネジメントモデルの発表
 2.発表されたマネジメントモデルのグループ間による相互評価

事例紹介

・職員による教育支援の企画・立案、マネジメントへの取組みについて(日本福祉大学・仲道雅輝氏)

事前研修

<事前レポート>
 次の項目についてA4判1枚以内に簡潔にまとめたレポートをメーリングリストに投稿する。各参加者は、事前に他の参加者のレポートを読むとともに、プリントアウトして研修会に持参する。
・参加者及び所属大学の基礎的な情報を所定の項目に従って記述する。
  ・氏名、大学名、所属(役職を含む)、業務用メールアドレス
  ・担当業務の内容、在職年数および現所属在職年数
  ・自大学における教育支援の事例とICT活用状況
<メーリングリスト>
 メーリングリストによる「事前ディスカッション」を実施する。その目的は、参加者が自身の問題意識を明確化し、研修会に能動的、積極的に取り組もうとする意欲を引き出すことにある。具体的には以下の話題について投稿を求め、事前レポートも参照しながら相互コメント(少なくとも1回以上)を課す。なお、必要に応じて運営委員が適宜ファシリテートする。
・自己紹介を兼ね、参加の動機や目的、自大学が直面する課題などを書き込む。
・職員による教育支援の具体例を挙げ、その効果や課題などを書き込む。

事後研修

メーリングリストを利用して下記の取組を行う。なお、メーリングリストは自由な情報交換の場としても活用する。
・グループの最終結論を"報告書掲載用バージョン"としてA4判1~2枚程度にまとめる作業を行う(12月末までに事務局に提出)。
・研修最終日に各自のアクションプランを2つ作成し(a.職場に帰ってすぐに実施したいこと、b.じっくり作戦を練って長期的に実施すること)、そのうち職場に帰ってすぐに取り組んだことについての経過報告を投稿し、相互評価を行う(12月末まで)

参考:昨年度の討議の様子

 メーリングリスト上での事前の意見交換やe-learning を活用したFD・教育改革推進 モデルの事例紹介(日本福祉大学)を受け、職員が教育支援の企画・立案に関わるこ との意義について認識を深めることができた。自由闊達な討論の中から構想された "ICT を活用した教育改善戦略"とその実施を支援するマネジメントモデルは、次のよ うに戦略的で完成度の高い内容となった。

  • 学士教育入門コンテンツ:「日本学」~日本の高等教育の底上げプロジェクト~
  • 大学の教育力を高める新任教員研修~教職協働で高める研修~
  • 効果的な初年次教育の実行におけるマネジメントモデル

 研修後、参加者からは「業務での改善提案を行った」、「他部署や教員へ働きかけを 行った」、「プロジェクトや委員会の立ち上げを計画する」といった報告が寄せられ、 自大学における課題解決のための実践的な研修としての成果が認められた。

 ★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g2.html

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第3分科会  大学情報のオープン化とICT活用

 大学は人材育成という公的な役割を社会から付託されており、教育研究を始めとする大学の各種事業についての情報のオープン化に積極的に取り組む責務がある。これは、教育研究活動の状況・成果・課題等を広く社会に情報発信する取組であり、ステークホルダーを含む社会からの理解と支援・協力を得るために必要不可欠な活動である。文部科学省においても省令を改正し、オープンにすべき事項を法令上明確にし(義務/努力義務)、教育活動の透明化を促進するとしている。また、就業力の向上を図るため、社会的・職業的に自立できる能力の育成を法律で義務化することにしており、企業及び地域社会との連携・協力によるキャリア形成教育の充実・強化も喫緊の課題となっている。本分科会では、説明責任としての教育をはじめとする各種情報の公開がなぜ必要か、大学活動の「見える化」の意義について考えるとともに、公開の範囲、方法などについて認識を共有するとともに、教育・研究活動の充実・向上、大学の存在価値を高める手段として、ICTの戦略的活用の可能性と課題について考察する。

討議テーマ

・情報のオープン化の意義、課題と可能性の整理

 オープン化の対象となる情報を洗い出すと共に、具体的な項目を挙げてその意義と課題、ICT活用の可能性と課題について共有する

・広報活動における情報のオープン化の現状と課題の整理

 自大学の教育・研究のあり方、方向について学内外の壁を取り払い相互評価できる場所や契機を得る、また活性化するための課題について考える

・具体的な情報オープン化とICT活用の事例研究

 事前研修で課せられた自大学や他大学の情報のオープン化とICT活用について、具体的な事例をもとに現状と課題について考える

獲得目標

  • 討議を通じて、情報のオープン化の意義を明らかにする
  • 自大学の情報のオープン化とICT活用について、現状と課題を明らかにする

想定する事例

  • 大学の社会的責任(USR)を含む多様な情報のオープン化、広報活動についての多様なスキームや先進的なICTを活用した情報公開の取り組みについて

全体進行

【1日目】
 ・研修趣旨説明、自己紹介(Web表示含む)、研修における意識合わせ
 ・分科会全体討議:ウェブサイトで大学の戦略を語れるか(運営委員 正木氏)
  大学時報2010年7月号(NO.333)掲載の正木委員による同名記事をベースに、参加者による意見交換を行う
【2日目】
 ・ミニ事例発表ならびに質疑
 ・グループ分けならびに役割分担(進行・記録・発表等)
 ・グループ討議
【3日目】
 ・グループ討議まとめ、発表練習
 ・成果発表ならびに相互評価

事例紹介

・事前レポートにもとづき参加者の中からミニ事例紹介を1~2件選抜する。

事前研修

次の項目についてA4判1枚以内に簡潔にまとめたレポートをメーリングリストに提出する。
1.プロフィール(レポートの右上に記載してください)
 大学、所属・役職、氏名、業務用メールアドレス、自大学のホームページアドレス
2.題名
 「大学情報のオープン化とICT活用」事前レポート
3.記載内容(本文)
 (1)大学におけるオープン化の対象となる情報について
 (2)自大学の教育・研究のあり方、方向について
 (3)研修への参加目的
 (4)討議希望事項及び情報交換希望項目
また、初日の分科会全体討議のため、参加者宛に送付される大学時報の「ウェブサイトで大学の戦略を語れるか」(同志社大学 正木 卓氏)を熟読しておくこと。
※参加者への連絡事項
 ・討議を円滑に進めるため、上記の事前レポートを提出することを参加の要件とします。
 ・各参加者は事前に他の参加者のレポートを読むとともに、プリントアウトして研修会に持参するようにしてください。
 ・提出された事前レポートの内容をもとに分科会でのミニ事例発表を依頼することがあります。運営委員から依頼がありましたら、研修の一環とご理解いただき、是非お引き受けくださいますようお願いいたします。
 ・グループ討議のまとめや発表準備では、ノートパソコンを活用されるケースが増えておりますが、事務局側では用意ができませんので、各自でお持込みをお願いいたします。

事後研修

 メーリングリスト上でグループ討議内容や結果を整理し、分科会報告書を作成するための最終成果物として提出する。また、参加者同士の情報交換の場として活用する。

参考:昨年度の討議の様子

 大学の規模・所属の枠を越え、大学の現状と課題を把握・整理し、ステークホルダーに訴求する情報の収集・教職員連携の体制づくり・戦略的なWebサイト構築について創造的なディスカッションが展開された。最終成果物として、ステークホルダー向けの年間情報スケジュールマップや機動力のある理想的な学内広報体制についてアイデアが具体化した。また、受験生向けのサイトを構築する上で効果的な学生生活がイメージできるコンテンツ、受験生の目線に合わせたキャラクターを含むコンテンツ、質問やクレームを引き出す工夫など興味深いアイデアが発表された。

 参加者からは「自身の広報マインドを再確認する必要性を感じた」、「学内への広報活動を行い、広報業務を理解してもらう」、「この研修で包括的に考えるきっかけを得た」などの声が寄せられ、広報担当者として積極的な業務改善に活かそうという意欲的な姿勢への変化が認められた。

 ★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g3.html

 注)昨年度は「大学広報におけるWebサイトの戦略的構築と差別化」をテーマに掲げました。本年度は、「大学情報のオープン化」を中心的なテーマとして取り扱います。したがって、上記研修成果は、あくまでも参考情報としてご覧下さい。

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第4分科会 教育学習支援の充実と強化を図るための図書館の役割と機能

 教育現場の課題として、学生を主体的、自立的な学び手に転換させることが難しいという現状がある。これを解決する上で図書館の役割は重要である。例えば、図書館職員がその専門性を発揮し、教員や他部局と連携しながら学生に基礎的な学習技法を身に付けさせるなど、学習支援活動の一翼を担うことが期待される。また、教員のニーズを把握し、教育コンテンツのアーカイブ化やデータベース化、情報提供元との交渉による電子教材の整備や共同開発を行うなど、ICTの観点から教育支援活動に関与することも期待される。しかし、現状は教員や他部局との連携という点で十分な取組みに至っていない。大学教育を支える図書館としてその役割と機能を十分に発揮するためには、組織の構築と図書館職員の育成が喫緊の課題と考える。
 本分科会では、図書館が教員及び他部局と連携して行う学習支援、教育支援の可能性を考察する中で、自大学における問題抽出と課題解決にあたって備えるべき視点を獲得することを目指す。

討議テーマ

・図書館を活用した新たな学習支援プログラムの構想

 大学の質保証と学士力の意味を図書館における学習支援の観点から整理してみる。また、先行事例に学びながら、図書館インフラ(施設・情報)や学術資料の付加価値サービスに求められる新たな役割について考えてみる。その上で、図書館を中心とした戦略的な学習支援プログラムを導き出す。

・学習支援プログラムを実践するにあたっての組織的な運用体制

 新たな構想を実現するための実施計画について、教員や他部局との連携という観点から検討を進める。例えば、図書館から関連部局にフィードバックできる情報の洗い出しと効率的な提供方法などについて検討する。

獲得目標

  • これからの図書館が担うべき学習支援機能を具体的にイメージすることができる。
  • 教員や他部局と連携した学習支援体制を構築、運用するにあたって解決すべき課題を認識することができる

想定する事例

  • 図書館を中心とした新たな学習支援機能を構想するうえで参考となる事例(課題解決型の情報リテラシー教育やe-Learning システム、学習ポートフォリオなどのICT活用事例など)
  • 図書館が教員や関連部局と連携、協働して組織的な学習支援を展開する事例

全体進行

【1日目】 ※自己紹介は懇親会にて行う
15:40~17:30 分科会討議1
 1.事例紹介1 明治大学・中林雅士氏
 2.ディスカッション(全体会の事例研究および事例紹介1に関連して)
【2日目】
9:00~10:00 分科会討議2
 1.事例紹介2 札幌学院大学・斉藤和郎氏(質疑応答含む)
10:10~12:00 グループ討議1
 1.所属大学での取り組みと研修参加目的の発表(事前レポート利用)
 2.役割分担(リーダー、記録、発表)とテーマ選定
 3.創造的ディスカッション
 教育学習支援の充実と強化を図るための図書館の役割と機能に関して、問題の本質を探究し、解決へ向けたICT活用の方略を導き出す
13:00~15:00 グループ討議2
 1.創造的ディスカッション(続き)
 2.グループ討議のまとめ(選定テーマ見直しも含む)
15:10~17:30 グループ討議3
 1.発表資料作成(討議結果を補強するデータの選定と仕上げ)
【3日目】 ※終了後、アンケート提出
9:00~10:00 グループ討議4
 1.発表準備(リハーサル)
10:10~11:30 分科会討議3
 1.グループ発表
 2.グループ間相互評価と運営委員による講評

事例紹介

1.「教職員の協働と連携による情報活用とマネジメント」(札幌学院大学・斉藤和郎氏)
2.「"教育の場"としての図書館の積極的活用と図書館資産の再評価」(明治大学・中林雅士氏)

事前研修

<事前レポートの作成> 次の項目について、A4判1枚にまとめたレポートをメーリングリストに提出する。
各参加者は事前に他の参加者のレポートを読み、プリントアウトして研修会に持参する。
1.プロフィール(レポートの右上に記載)
 大学、所属、役職、氏名、業務用メールアドレス
2.担当業務の内容、在職年数、現所属在職年数
3.討議テーマに即した自大学の現状と課題
4.分科会での討議希望テーマ
5.情報交換希望項目

事後研修

メーリングリストを利用して、以下の取組みを行う。なお、メーリングリストは研修終了後も参加者同士の情報交換の場として活用することができる。
<発表資料最終版の作成>
 グループ発表で使用した作成資料の最終確認版を11月末日までに提出する。提出された資料はホームページに掲載されるので、記述内容や表現などに留意する。
<アクションプランの作成>
 研修成果を活かしたアクションプランを各自作成する。下記の項目について、A4判1枚にまとめて11月末日までに提出する。
1.プロフィール(レポートの右上に記載)
 大学、所属、役職、氏名
2.アクションプラン名
3.背景、目的、期待される効果、実行計画など

参考:昨年度の討議の様子

 3つのグループに分かれ、学生の自立的な学習を支援する図書館の機能について、次のような具体的な支援プログラムの構想を通じて検討を進めた。

  • 図書館が備えるべき学びの支援機能の明確化-学習困難学生(退学予備軍)への支援
  • 学生生活を包括的に支援する図書館
  • 心を開く図書館

 いずれも、図書館内部の限られた視点に陥ることなく、現在の図書館が置かれた立場を俯瞰しながら客観的な視点で考察した。あわせて、学生一人ひとりに対する支援方策や学生サポーターとの協働といった視点も加え、これからの図書館が実施すべき学習支援のかたちを模索した。その結果、参加者全員が、大学の組織的課題をふまえた上で、図書館としてどう支援していくべきかという視点を養い、図書館における課題解決が大学教育の活性化と大学改革に貢献するという大きな視点を獲得することができた。

★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g4.html

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第5分科会 情報活用の重要性と情報システム部門の役割

 大学には「知の拠点」として、高度かつ多様な機能が求められている。たとえば、教育コンテンツの蓄積と再利用、研究成果情報の社会還元、経営情報の戦略的活用、生涯学習の充実などが挙げられる。これら、求められる機能の実現には情報技術の活用が不可欠で、情報システム部門は「システムの運用管理」から「知の資産の運用管理」、「高度化する教育研究の支援」、「安定したIT利用環境の提供」へと、視点・軸足の転換を迫られている。
 本分科会では、経営的視点から、大学における情報環境や情報システム部門の役割・あり方についての検討を行い、それを踏まえて、視点・軸足の転換、教育研究や業務における情報資産の管理運用、教育研究の支援、安定した利用環境の提供など、求められる役割の実現に向けて、現場および経営層や関係部門へのマネジメントを、経営資源やコストの観点も含めて探求する。

討議テーマ

(3)~(5)は、グループ(7~8名で構成)の討議テーマにより選択する

(1) 視点・軸足転換の意義

  • 大学を取り巻く環境の変化と求められることについて分析を行い、視点・軸足の転換の意義について認識する。

(2) 情報システム部門の課題認識

  • 情報システム部門に求められる役割と、実現にあたっての課題などを洗い出す。

(3) 情報資産管理運用のあり方

  • 大学における情報資産の認識および洗い出しを行う。
  • 守るべき情報と活用すべき情報について点検評価を行う。

(4) 高度化する教育研究をいかに支援するか

  • 課題掘り起しのための教育現場とのコミュニケーション
  • 新たな事業への取り組み ~いかに計画し実行するか~

(5) 安定した利用環境の提供

  • 経営資源の有効活用
  • 最新のICT技術&デバイスのメリット・デメリット

獲得目標

  • 情報システム部門の視点・軸足転換の意義、目的を認識する。
  • 自大学の情報システム部門の将来的な役割を認識する。
  • 情報資産の全体像を把握し、これをマネジメントする視点を獲得する。
  • 教育研究の支援について新たな視点に立った取り組みを企画・マネジメントする能力を獲得する。

想定する事例

  • 情報セキュリティの自己点検事例
  • 情報、情報技術を活用した、新たな教育研究支援の取り組み

全体進行

【1日目】
15:40~16:10 事前準備
 1.分科会趣旨説明(全体)
 2.自己紹介および事前レポートに関する説明(以下、グループ毎)
 3.情報システム部門の任務、課題についての討議
16:10~17:30 グループ討議(1)
 1.役割分担(進行・記録・発表等)
 2.テーマの選定
【2日目】
9:00~10:00 事例紹介(全体)
 1.事例発表(2件を予定)
 2.意見交換(1日目の事例研究も含めて全体で意見交換)
10:15~17:00 グループ討議(2)
 1.テーマの掘り下げ、課題の洗い出し(午前)
 2.課題の整理、解決策の検討、まとめと発表準備(午後)
  ※コーヒーブレーク後に、進捗状況の確認を行う。
  ※夕食後、必要に応じてグループ討議継続 【3日目】
9:00~12:00 グループ討議(3)
 1.討議のまとめ、成果発表(1チーム質疑応答含め20分程度)、相互評価
 2.アンケート記入

事例紹介

・最近のデータセンターの動向(予定)
・情報セキュリティ自己点検リストの事例(予定)

事前研修

(1) 事前レポートの提出
以下の内容について、A4で1枚以内に簡潔にまとめたレポートを提出していただきます。
・氏名,大学名,所属(役職含む),業務用メールアドレス
・所属の主たる業務及び担当業務内容
・情報システム部門の職責に関する考え
・希望討議テーマ及びその理由 ※(3)~(5)を選択
・自大学が抱えるICT的な課題  ※レポートはメーリングリストで、参加者間のみで閲覧可能とする。
 ※事前に他の参加者のレポートを読み、印刷して研修会に持参する。
(2)メーリングリスト(参加者の情報交換用) による事前ディスカッション
 事前に自己紹介を兼ねて,参加動機など記載し,事前にコミュニケーションを図り,研修当日に円滑な討議を目指す。
(3)創造技法に関する自己学習
 グループ討議を円滑に進めるために、創造技法(ブレーンストーミング、KJ法)について自己学習をしておく。
 ※参考URL  http://css.jaist.ac.jp/jcs/gihou.html

事後研修

メーリングリストを利用し、下記の取り組みを行う。なお,メーリングリストは自由な情報交換の場としても利用していただく。
・グループの最終結論を「報告書掲載用」としてA4版2枚程度にまとめ事務局へ提出する。締切りを11月30日までとする。
・研修成果を振り返り,今後どのように業務に活かすか考えた「アクションプラン」を11月30日までに投稿し、その後相互にコメントやディスカッション等を行う。

参考:昨年度の討議の様子

 3つのグループが、それぞれ以下のテーマを掲げ、現状分析と課題解決へ向けた検討を行った。テーマは異なるものの、いずれのグループも情報システム部門が役割の転換期を迎えていることを深く認識し、「情報資産活用をベースとしたマネジメント」、「情報経営部門への意識改革」、「情報資産の活用やそのマネジメントに取り組める体制へのシフト」といった観点から討議が展開された。

  • 情報システム部門の課題認識として“近い将来の情報資産活用とアウトソーシング”
  • 大学として活用して行くべき理想の組織“情報システム部門”
  • 情報資産管理をするための情報システム部門のあり方

 研修後、参加者からは「事務組織に横断的な委員会を設置し、情報資産の有効活用に関する総合的計画を作成する」、「大学全体での情報共有化や業務の複数体制化を進める」など本分科会での獲得目標に沿った積極的なアクションプランが提出された。

★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g5.html

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第6分科会 教職員・学生間のコミュニケーションを活性化するICT活用戦略

 大学が社会に有用な人材を輩出する教育機関としての責任を果たし、学生ひとり一人の確かな能力育成を図る上で、教職員と学生が一体化したきめ細かなコミュニケーションが重要な役割を果たす。例えば、入学前の出前授業や先輩学生、卒業生との交流、授業における即時の理解度チェック、オフィスアワー等の個別学習指導、学生相互の協調的な学習活動や授業評価での意見交流など、お互いの信頼関係にもとづく豊かな教育学習環境の整備が求められている。さらに、就業観・職業観を醸成する就業力育成支援やメンタルケアを含む学生生活支援などが喫緊の課題に位置づいている。
 本分科会では、教育学習支援、キャリア形成支援ならびに学生生活支援の展開に不可欠な教員、職員、学生相互のコミュニケーション活動に着目し、これを活発化、豊富化するICT活用戦略を構想しながら、そこに期待される効果と実践にあたっての課題を明らかにする。

討議テーマ

  • 授業における教員と学生のコミュニケーションツール
  • スタディスキル、基礎学力を支援するコミュニケーションツール
  • 学修や学生生活におけるFAQなどICTを活用したコミュニケーション
  • 中途退学者を抑止するSNSやポータルなどのコミュニケーションツール
  • 入学前教育や卒業後のコミュニティ形成を可能にするコミュニケーションツール

獲得目標

  • コミュニケーションツール活用の基本的な考え方、可能性とその限界について理解ができる
  • 学生支援体制を強化するための組織的な「教職員の役割・関わり方」の認識と理解ができる
  • 大学生活の不安を払拭する実践的な学生支援モデルの構想ができる
  • 自大学の現状における課題認識と課題解決への方策を考案ができる

想定する事例

  • 授業中の理解度確認に活用できるコミュニケーションツール
  • 学習支援のためのコミュニティ形成のためのツール
  • 学生ポータルや学生同士のつながりを強化するコミュニケーションツール
  • 自らの学びに入れない学生や中途退学者を抑止・支援するSNS活用

全体進行

【1日目】
15:40~17:40 事前準備(分科会の趣旨理解と参加者の意識合わせ)
 1.事前研修の成果を踏まえての分科会の趣旨説明
 2.自己紹介・参加目的・達成目標…研修の参加目的・達成目標の明確化を図る
 3.全体会の事例紹介に関する討議
【2日目】
9:00~10:20 ミニ事例発表と意見交換
 1.ミニ事例発表…参加者の中から1件
 2.東洋大学の事例紹介(教職ポートフォリオに見られるコミュニケーション)
10:30~15:00 グループ討議Ⅰ
 1.テーマの選定、役割分担(進行・記録・発表等)
 2.グループ討議
15:10~17:00 グループ討議Ⅱ
 (夕食後、必要に応じて、グループ討議を継続。)
【3日目】
9:00~10:20 グループ討議Ⅲ
 グループ討議まとめ、発表準備
10:40~12:00
 グループ発表、相互評価

事例紹介

・参加者(事前レポートで募集)と東洋大学の事例紹介

事前研修

 次の項目についてA4判1枚以内に簡潔にまとめたレポートを第6分科会のメーリングリストで提出する。各参加者は事前に他の参加者のレポートを読むとともに、プリントアウトして研修会に持参する。なお、下記の項目を含んだ標準書式を作成して、参加者にメールで送る。
(1) 参加者及び所属大学の基礎的な情報を所定の項目に従って記述する。
 ・ 氏名、大学名、所属(役職を含む)
 ・ 業務用メールアドレス
 ・ 担当業務の内容、在職年数および現所属在職年数
 ・ 自大学におけるICT活用の事例
(2) 分科会に対する期待や要望などを自由に記述する。
 ・ 参加の目的
 ・ 自大学が抱える課題
 ・ 討議希望テーマ
 ・ 自己紹介を兼ね、参加の動機や自大学が直面する課題などを書き込む

事後研修

 メーリングリストを利用して下記の取組を行う。 (1) グループの最終結論を"報告書掲載用バージョン"としてA4判1~2枚程度にまとめる作業を行う(12月中旬までに事務局に提出)。 (2) 研修の成果を振り返り、今後これをどのように活かそうと考えているかといった「アクションプラン」を投稿し、相互コメントを行う。

参考:昨年度の討議の様子

  3つのグループに分かれ、コミュニケーションツールの活用に関して現状分析を行い、問題の要因・原因を掘り下げ、教職員が協働しながら学修と学生生活を支援するICTの活用について議論した。2つのグループは、離脱者・中途退学者予備軍を防ぐため、学生・教職員の信頼関係の構築、学生同士の繋がり強化、学生の居場所づくりを実現するSNSをテーマとした。他のグループはICT活用したFAQの整備と相手の顔を見たくなるようなコミュニケーションとこれを具現化するサイトの構築をテーマとした。

 これら実践的なICT活用モデルの構想を通じて、参加者はコミュニケーションツールによる学生支援の重要性と可能性、解決すべき課題について認識を共有することができた。例えば、職員が教員と協働して予習・復習や学習方法の習得を支援するコミュニティの形成や、対面のコミュニケーションに導くサイトづくりを目指したことは、職員が教育をデザインすることに積極的に参画しようとする姿勢の表れといえる。

 ★ 昨年度の報告書・・・ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2009reports/g6.html

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