分 科 会 概 要
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A
-1 ICカードの戦略的活用
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【分科会のねらい】
これまで大学の施設の入室管理、図書の貸出管理、証明書発行な
どのために個人の特定を磁気カードで行ってきたが、IC
カードの出現により、大量の個人情報を扱うことが可能になったことから、カードの活用の範囲が個人の認証だけでなく、教育・学習支援
の一つの手段として考えることが望まれるようになってきた。本分科会では、ICカードを活用するメリット・デメリットを確認し、その
上で学生一人ひとりの質の保証に寄与するようなICカードの戦略的な活用について検討する。
【メ
インテーマ】
教育・学習支援を目指したICカードの導入 【サブテーマ】
- 磁気カード
とICカードの相違点
- ICカードで何ができるか(メリット、デメリット)
(キャ
ンパスライフ支援、施設・設備および情報資産のセキュリティ対策、教育・学
習支援) - ICカードに記載する情報の範囲と内容
- 費用対効果
【参
加対象】
IC
カード導入を予定または検討している大学の職員、既にICカード導入していて課題対応に関心がある大学の職員ならびにテーマに関心が
ある他部門の職員
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A-2 戦略的な大学Web
サイトの構築
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【分科会のねらい】
大学は社会
からの理解と支援を得るため、アカウンタビリティとして教育・研究・社会貢献活動や財政状況、第三者評価結果等の情報開示が求められ
ている。加えて大学からの情報発信は他大学と差別化を図り、社会に強くアピールできるものでなければならない。その広報手段として、
大学Web サイトは極めて重要であり、戦略的に構築することが望まれる。 本分科会では、各大学のWeb
広報の現状、問題点について学生確保、教育改善、研究活性、大学経営の工夫・改善等の面から分析し、問題解決のための課題の確認、新
しい提案の発掘とその可能性についての討議を通じて、戦略的な大学Web 広報のあり方を模索する。
【メイ
ン
テーマ】大学における効果的なWeb 広報と情報発信 【サブテーマ】
- &
nbsp;戦略的なWeb
サイト設計・構築・運用
- 情報発信のための推進組織体制
- Web
サイトを通じた教育のオープン化
【対
象者】 広報・企画部門及び大学情報を発信している関連部署
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A-3 学生基本情報の活用
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【分科会のねらい】
学
生基本情報はあらゆる業務の核になるデータとして、すでに多くの大学で有効利用するためのシステムが構築されているが、教育・学習支
援への活用に関しては教職員のコラボレーション、父母のニーズの変化、個人情報保護などの面から、対
応すべき課題が山積している。これらの課題をクリアし、学生ポータルの構築や学生カルテなど、学生基本情報を活用した新たな教育支援
の実現を目指すための対策について可能性を検討する。
【メインテーマ】学生基本情報を活用した教育支援のあ
り方 【サ
ブテーマ】
- ・ 教職員の連携を充実するための情報システムのあり方
(ポー
タルサイト、学生カルテ、学習支援シス
テム、ファカルティ・ディベロップメントへのフィードバック) - 学生による自己点検・評価
システムとしてのポートフォリオの導入
(教育で修得した知識・技能・態度等の能力判定のデータベース化) 【対
象者】 学生基本情報を利用または管理するすべての部門
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A-4 戦略的な教育支援
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【分科会のねらい】
大
学教育の現場では、学生の基礎学力や学習意欲の低下はもとより「人間力」の低下が大きな問題となっている。学生を受け入れた以上、動
機付けを高め、達成感を持たせる工夫を行うなど、人材育成の責任を果たさなければならない。他方、大学設置基準においてもファカル
ティ・ディベロップメントの義務化が急がれており、大学教育の質保証が喫緊の課題として指摘されている。 本分科
会では、教育内容や方法の改善・向上を組織的に実現するための戦略的、実践的解決策を導き出すための視点を養う。
【メ
インテーマ】ファカルティ・ディベロップメントと教育支援 【サブテーマ】
- ファ
カルティ・ディベロップメント
(FD)のあり方
- FDを推進する組織体制
- 教員と職員の連携・協
働、職員が果たすべき役割
- 実効性のある教育評価システム
- IT
を活用した教育支援(コンテンツのアーカイブ化、e-Learning、ポートフォリオ)
【対
象者】 部署による限定はしない
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A-5 個人情報漏洩対策 |
【分科会のねらい】
各大学とも
「個人情報保護規程」は整備しているが、P-D-C-A サイクルにもとづく運用が十分でない。また漏洩した場合に備え、「危機管
理」の一環としたマニュアルの整備、体制の整備、漏えいの調査・報告、情報主体への通知方法など、大学が早急に取り組むべき必要があ
る。個人情報が漏洩した場合、大学としての取り組むべき対応モデルを整理し、実現のための課題を検討する。
【メ
インテーマ】 危機管理体制の整備について 【サブテーマ】
-
個人情報漏洩の危機対応マニュアル
- 技術的なセキュリティ対策の導入・運用・評価
- &
nbsp;教職員に対する意識の啓発(研修会・説明会の実施、規程整備)
- 被害を最小限に
押さえるノウハウ
【対象者】 上記サブテーマに関心のある者であれば部署等は問わない
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A-6
大学インフラとしての情報環境
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【分科会のねらい】
補助金の活用により、大学の情報インフラは急速に整備されつつ
ある。しかしながら、インフラの利用面からみると教員の多くからはまだITの可能性と限界について十分な理解が得られず、教育改善の
手段としての活用は多くない。FDの義務化が間近に迫ってきている今日、教員一人ひとりが教育方法などの改善に取り組まなけれ
ばならないが、ITを活用することで問題解決の可能性を高めることができる。 この分科会では、ITを活用した教員の研修、職員の教
育
支援研修をはじめ、大学の情報インフラ全般にわたり、総合的な情報化支援対策の企画・立案・実施・啓
蒙など、情報センター部門が果たすべき役割について新たな方向性を探る。
【メインテーマ】教育インフラを支
える
ための情報センターの役割 【サブテーマ】
- 教員のITリテラシーの研
修、相談・助言(情報倫理、著作権問題等含む)
- 教材の開発(教育支援室との連携)
- 教
育戦略としての最適な教育システムの提供(ポータルサイト、eラーニング、マルチメディア等々)
- 情報セキュリ
ティの確立
- IT最新技術の紹介
- 費用対効果の測定
【対
象者】 情報センター等部門に従事する職員
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B
-1 主体的な学びを喚起させる学修支援システム
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【分科会のねらい】
学生の学力低下や学習意欲の喪失が問題と
なっており、学生の動機付けを高め、主体的な学びを促すことが喫緊の課題となっている。単に卒業必要単位数の取得を目標とした履修方
法では学生の学びを喚起することはできない。目的意識を持たない学生にいかに授業に積極的に参加させ、社会に貢献する人材を育成して
いくには、学生一人ひとりの将来設計、進路設計に応じた学びが実現できるよう、学生の多様なニーズに応じた学修支援が必要である。そ
れには、学びの重要性やカリキュラムの意義をわかり易く紹介するシラバスとそれを活用させるためのシステム作りが必要
である。また、学生が履修状況の自己点検・評価を通して自ずと学修意欲を促進する、学生個別の履修支援が達成できるようなシステム作
りと教職員による連携が求められる。 本分科会では、学生の自立的な学習を促すための履修支援・シラバスシステム等の充実や、学生に
対
する親密な相談・助言を可能にする支援体制、学修支援システムのあり方等について模索する。
【メインテー
マ】主
体的な学びを喚起させる仕組み作りについて 【サブテーマ】
-
学修行動のプロセスを効果的に支援するシステム(履修計画策定・登録・学習活動・学習成果確認)
- GPA
制度の問題点(必修科目の減少)、副専攻による学習意欲向上の可能性
- シラバスにおける到
達目標の明示とカリキュラムとの連携
(ポートフォリオの活用)
- FD 支援について
【対
象者】
教務事務および学修支援システム開発・運用に携わる方
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B-2 キャリア形成支援
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【分科会のねらい】
大
学が「人材育成」という社会的使命を果たすためには、キャリア形成支援部門が教務部門や教員組織とも連携しながら部門を越えた全学的
な観点から機能しなければならない。例えば、社会人としての自律性、コミュニケーション能力、規範意識、協調性等の資質を保証するた
めに学生一人ひとりの能力に応じた支援プログラムの実施が求められる。また、キャリア形成支援を通じて、教育の現状を分析し、問題点
を明らかにした上で、カリキュラムの見直し、FDへのフィードバックなど、教育政策の改善につなげることも求められる。 本
分科会では、肌理の細かい人材育成支援を目指すため、ITを活用した情報共有を通じて大学挙げての組織的な取り組み、支援内容などに
ついて研究する。 【メインテーマ】キャリア形成を支援するための効果的・積極的な情報活用 【サブテーマ】
- &
nbsp;進路観の醸成、キャリア形成を支援する情報システムとは
- 学生の状態や到達度に
応じた的確かつ有益な情報提供のあり方
- 社会と連携したキャリア支援を実現するための情報
ネットワークの利用
- 多様な情報やナレッジの蓄積と組織的活用
- &
nbsp;教員組織と事務組織との連携、キャリア関連科目等の実践と効果
【対象者】
就職・キャリア形成支援部門、学生支援部門、教務部門
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B-3 IT
を活用したコミュニケーション
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【分科会のねらい】
学生一人ひとりに質
の高い教育を保証するという大学としての使命に応えていくには、教職員一体となって知恵を出し合い、様々な対策を講じていくことが不
可欠である。そのためには、従来の縦割り組織の弊害を打破し、大学構成員間で課題を共有し、問題解決に向けた密接な相互のコミュニ
ケーションが求められている。 本分科会では、参加大学の各種のコミュニケーションのしくみについて、それらが本当に有効に活用さ
れ、効
果を発揮しているか、また、その本質的な問題や理想的な形は何かなどについて討議し、ITを活用したコミュニケーションの限界も探る
こととする。
【メインテーマ】教育支援・学生生活支援のためのコミュニケーション 【サ
ブテーマ】
- コミュニケーションツールのメリット・デメリット(グルー
プウェア、ポータルサイト、Blog、SNS 等)
- ステークホルダとのコミュニケーショ
ンのあり方(学生、教職員、保護者・卒業生・地域・企業)
- 対象範囲拡大によるセキュリ
ティ上の新たな問題点
【対象者】
情報の流通と共有について関心をお持ちの方、ITを
活用したコミュニケーションのしくみを使って新しいサービスを実現したい方、学内インフラとしてこれらのシステムを整備する情報部門
の方など幅広い部門の方を対象にする。
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B-4
大学情報システムの危機管理と対策
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【分科会
のねらい】
大学の教育・研究、経
営・管理に亘る全ての情報が、情報システムとして整備され、基盤環境として構築され
ているが、そのシステムが停止したり、侵入・破壊されたりすると、学内の活動はもとより、学外へ及ぼす影響は計り知れないものがあ
る。情報システムに関するリスクを予測し、適切に対応していくことは、大学にとって大きな課題となっている。そ
こで、本分科会では、情報システムの位置付け、役割を確認した上で、そこに潜むリスクについて共通理解を深め、取り組むべき対策につ
いて費用対効果の観点も含め望ましい姿を模索する。
【メインテーマ】大学情報システムの危機管理と対策 【サ
ブ
テーマ】
- 情報システムに潜むリスク(ソフト、ハード、ネットワーク、
人的リスク)
- リスク回避のための情報システムの構築
- &
nbsp;情報システムの安全対策(緊急時の対策含む)
【対象者】
情報センター等部門
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B-5 図書館員による学習支援
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【分科会のねらい】
主体的に学ぶことが
要求される大学の授業において、学習意欲が低下する理由の一つに、自律学習のための基礎能力が十分でないことによる授業への不安があ
る。図書館における学習支援機能を考える上ではこのことを十分認識し、図書館の基本的な利用方法、文献・資料の探索方法や選択方法、
IT を活用した情報収集、レポートの組立て方など、学習をするための基本的技術をガイドすることが必要になる。 本
分科会では、初年次教育についての重要性を確認した上で、図書館における具体的な指導方法について考えるとともに、教員との連携によ
る学生の図書館利用促進の戦略・戦術についても研究する。
【メインテーマ】図書館が担うべき学習支援とは 【サ
ブ
テーマ】
- 図書館員が関わるべき学習スキルの支援内容(図書館の利用方法、文献資料の探索方
法、資料の選び方、
- IT
を活用した情報収集、論文・レポートの作成技術)
- 教員と連携した図書館利用、読書の仕掛け作り
- 教
材・資料のアーカイブ化・開発
【対象者】図書館関連部署、学習支援関連部署、学術情報基盤関連部署
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社団法人私立大学情報教育協会 Last Update 2007.7.21 |
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