社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第3回栄養学教育IT活用研究委員会議事概要

Ⅰ.日時:平成18年8月31日(木)午前11時から午後1時まで

Ⅱ.場所:私情協事務局会議室

Ⅲ.出席者:武藤委員長、中川、酒井、小野坂、石崎各委員、井端事務局長、木田

Ⅳ.議事進行

1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標、2.教育現場での課題

酒井委員より、配布資料に基づき報告いただいた。その後意見交換した。

1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標について

○ 第2パラグラフの3行目、「次に・・・」とあるが、前文との繋がりが不自然では。

○ 第1パラグラフが長いので、圧縮いただく。

○ 学生の到達すべき能力をコンパクトにまとめていただきたい。基礎、応用、専門とそれぞれで求められる能力をまとめると読みやすくなるのでは。
⇒ 栄養を専門としない読者も想定して、第1パラグラフの最初の3行目は後ろに回した方が良い。

 

2.教育現場での課題について
(1)について

○ 入試の多様化により化学、生物、数学を高校時に履修してこなかった学生が入学している旨も加えた方が良い。

○ 基礎学力の欠落、『さらに』集中力、創造力の欠落とした方がよいのでは。

○ 臨床栄養的なものと調理との関連性なども触れた方がよいのでは。

○ 各大学の個性・特色に関わる問題であるので、あまり触れなくても良いのでは。

○ ガイドラインはあくまでも学生の質を底上げするためのものなので、個性特色については触れていない。
  ⇒ 入試の多様化・・・についても触れる。

(2)について

○ 現場出身の方を教員として向かい入れたものの、教育研究の経験がないことから2~3年で中途で退職してしまう教員もいる。(教員個人の問題だけではなく制度的な問題でもある)

○ 学生に応用力を持たせるためには、従来の教員と現場出身者の教員が協力して、FDに繋げるという方向に持っていけばよいのでは。

○ 現場では古い教育を受けた方が主体となっているので、なかなか改革がしずらい(理論的にも方法論的にも旧態依然のまま?)。NSTも現場では実践されていないのに、NSTを中心としたカリキュラム編成になったことも問題がある。また、大学の教員が現場に行くと、却って現場の方に新しい理論や研究・教育の動向を尋ねられることがある。

○ 現場出身の教員は、現場のケースに即した事例問題の解決などは得意であるが、新しい問題に対してどのように解決すべきか論理的に考えることは不得手である。

○ 若い世代(40代)の教員が育っていないことも問題である(私学特有の問題でもある)。

 

(3)について

○ チーム医療は、外科の医師は比較的協力的であるものの内科の医師は興味を示さない。大病院では一応NSTが作られているものの、栄養士がプロとして活躍しているとは言えない。

○ 医学部医療機関との連携が進んでいない以前に、投薬指導や治療の中に「栄養」を取り入れようとする意識が希薄であることに問題がある。アメリカでは医学部のなかに栄養部門が組み込まれている。その点も触れた方が良い。

○ 栄養の認知度を高めるためにも、6年制にする必要がある(経営的な問題点は置いておいて)という論点も加えた方が良いのでは。
  ⇒(3)医療において栄養に関する意識が希薄であることを指摘する。

3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性
  室伏委員に提出いただいた原稿をもとに意見交換した。

○ 1の目標到達、2の課題克服のためのFDの指針を論ずる。理想論でも良い。

○ 問題点の指摘が多い(問題点は2.教育現場での課題で列挙する)

○ 1と2との連関が必要。

○ シラバスが全体の中での位置付け、全体に対してどの程度貢献しているかという検証がない。大学教員は自身の専門に誇りを抱いているが、もはやそれだけで済む問題ではなく、今後はどのような人材を輩出すべきかという点を意識しながら授業を設計しなければならない。

 ⇒室伏先生の草稿をベースとして、酒井委員に加筆修正いただくこととした。

 

4.ITを活用した授業モデルの紹介

(1)小野坂委員

 小野坂委員より提出いただいた配布資料に基づき意見交換した。

 ○タイトルは「授業ムービーを利用した公衆栄養学の授業」へと変更する。

 1.授業のねらい

○ IT活用に関するねらいを記述いただきたい。

 2.シナリオ

○ 配当学年、単位数、時間、必修or選択など冒頭に書き加えていただく。

○ 90分間の授業進行(タイムスケジュール)を書いていただく。

○ 画像は「3.IT活用の詳細」のところに貼り付ける。

 4.授業効果

○ コンパクトにまとめる。

○ 学生の反応や先生のねらいがうまく実現できたかどうかを触れていただく。

○ ムービーをあらかじめ見ろと言っても学生が見ない、という件は3.IT活用の詳細の方に持っていく。

 5.問題点

○ 学生が見ないという点は、IT活用の詳細で触れるので敢えてここで書く必要はないのでは。

○ 授業ムービーを見せるために強制的に見せることを義務付けたり、また教員が授業録画を拒むケースが多々あるので、大学のFDとして義務付けるといった点にも触れるべき。

(2)石崎委員

○ 2ページ目の6行目 マルチメディア館⇒情報教育センター、健康科学館⇒建物と変更する。

○ タイトル「ITを導入した応用栄養学実習授業」に変更する。

 2.シナリオ

○ シナリオの冒頭に科目名、配当学年、単位数、時間、必修or選択など冒頭に書き加えていただく。

○ 3ページ目の図2はシナリオのところに持っていく。

○ 「教員が作成したライフステージ・ライフスタイル別の対象モデルの症例」の実例・

4.授業効果、5.問題点

○ 箇条書きではなく文章化していただく。

(3)中川委員
  中川委員より、配布資料に基づき報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。その後意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

○ 実際の授業で使われていないが、今回の授業モデルでは実際に行われた授業に基づき、授業効果を出していきたい。これがモデルとして適切であるかどうか議論した方がよい。

○ 将来の方向性を打ち出すという意味ではモデルとして紹介しても意味があるのでは。

○ こういうところで取り上げない限り、先生方は使おうとしないのでは。

○ ただし、授業モデルとしてどのように取り上げるのかは難しい。コンテンツの紹介で終始してしまう。それ故、3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性でこのようなコンテンツを活用する必要性に触れる程度にとどめた方がよいのでは。(企業主体の開発ではなく、教育現場との共同開発が必要である点にも触れる)

 (4)市丸委員

○ 構成、方向性について武藤委員長にご連絡いただく。