社団法人私立大学情報教育協会 Ⅰ.日時:平成16年1月26日(月)午後5時から午後7時まで Ⅱ.場所:私情協事務局会議室 Ⅲ.出席者:安西委員長、戸塚、安井、錦織委員 Ⅳ.検討事項 安西委員長より、地域保健・医療・福祉情報ネットワークを活用した教育事例について報告いただいた。このシステムは、(1)マルチメディア・モニタリング・システム、(2)保健・福祉データベースに分類することができ、構築した目的は、産官学と住民の連携を促進することである。具体的には、龍谷大学が情報発信地となり、保健センター、特別養護施設、在宅介護支援センター、医療機関、あるいは在宅介護者に対して、大学の有する知的資産や技術を提供することである。 (1)マルチメディア・モニタリング・システム このシステムは、テレビ電話を活用して、龍谷大学と保健センター、健センター、特別養護施設、在宅介護支援センター、医療機関、住宅をネットワークで接続し、リアルタイムで大学の援助技術を提供するものである。通常のビデオ教材と異なり、リアルタイムで双方向通信が可能であることから、即時に疑問を解消することが可能であり、特に在宅介護者に対しては、個々の家庭に合わせた技術を提供することが可能となる。 また、授業では、学内LANを通じて実習室からの映像をリアルタイムに大教室で投影したり、またサーバーに蓄積されたデータを編集して画面を二分割にし、例えば一方の画面に在宅介護者の介護の様子を提示し、もう一方の画面にはその介護技術に対するサジェスチョンや改善点を提示したりしながら活用している。 在宅で介護している家庭に対して、コンピュータを通じて大学で情報提供することと、施設で実際に介護している職員や業者に対して、継続的なデータを適切に管理しかつ効率の良いサービス内容を考案させることを目的として構築されたものである。 このシステムは、在宅高齢者情報と施設利用者情報を一括管理することが可能であり、在宅高齢者情報としては、基本属性(氏名、性別、生年月日、年齢)、家族・入院情報、訪問情報、介護者状況、福祉用具、身体状況、基本動作、ADL。過去14日間の医療、食事バランス状況、塩分摂取状況、在宅支援サービスなどが掲載され、施設利用者情報では、基本属性、家族・相談情報、通所情報、心身状況、介護者状況、身体状況、基本動作、ADL、機能訓練等状況が掲載されている。 また、このシステムは、在宅の介護者や施設担当者に実際に使用いただき、生データを個人特定できないように加工した上で、学生にデータを見せながら、授業を行うことも目的としていたが、介護保険制度のスタートと同時にこのシステムが稼動し始めたため、現場ではあまり使用されず、結果的には生のデータを一つも収集することができなかった。 そのため、授業では、仮想の特別養護、在宅を学生自身に作らせるため、このシステムを活用して、施設設立に必要な所在地や施設メーカーを考えさせ、利用者の症状の学生に設定させ、最終的には特養の全体像をまとめてプレゼンテーションさせている(情報処理3)。しかしながら、履修者数は一ケタ台であるのが現状である。 現在開発中である対人援助総合訓練システムのデモ版についてプレゼンテーションいただいた。これは、障害者の領域で現場実習を行う学生に、知的障害者施設に行く前の予備訓練として、基本的な知識や施設の中での実際の流れを理解してもらうことを目的としたマルチメディア・シミュレーション教材である。教材の内容は、施設に行ったことのない学生に、施設で行われているプログラムの説明や、施設内の雰囲気や生活の様子がわかるシミュレーションから学習が始まり、 |