社団法人私立大学情報教育協会

平成17年度第4回被服学教育IT活用研究委員会議事概要


T.日時:平成10月24日(月)午後4時から午後6時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:高部委員長、鈴木、伊佐治、雲田各委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

1.被服学教育におけるコア・カリキュラムと報告書の内容について

前回より継続して、今回は(1)被服心理学、(2)ファッションビジネス、(3)アパレル設計、(4)ファッションデザイン、(5)服飾史・服飾美学・服飾論、(6)テキスタイルデザインのコア・カリキュラム案を検討した。

(1) 被服心理学

高部委員長、伊佐治委員よりそれぞれ案を提出いただいたが、高部委員長の案をベースとして項目の過不足を検討したところ下記の意見があった。

@ 被服心理学に限らず各科目において「概論」および「概要」の有無がまちまちである。表記の統一を図った方がいいのではないか。


A 仮に「概要」を省く場合には、「選択動機」を一番目の項目として置くのが適切ではないか。


B 「選択動機」の場合、「被服と個人の関係」、「被服と社会の関係」双方の機能を含意するが、高部委員長の案には、被服と社会の関係を説明することに該当する項目が既に置かれているから、適切ではない。むしろ単に「概要」を省くだけで良いのではないか。


C 「感覚・知覚」に関してはデザインや色彩論と重複するのではないか。

以上、概要の扱いについては、他科目との統一化を図るために、保留することにした。また、「感覚・知覚」の扱いについても同様に、他科目との重複を省くために最終的に平仄を合わせることにした。

(2) ファッションビジネス

高部委員長、山口委員よりそれぞれ案を提出いただき、それをもとに検討したところ、下記の旨の意見があった。

@ ビジネスサイクルの一連の流れを順序立てて教えるのが適切である。それ故、最初は「アパレル産業構造」を置くのが良い。


A 「流通」と「マーケティング」は並行して教えることが適切であるから、同一項目として合わせてもいいのではないか。

 

以上の意見に鑑みて、ファッションビジネスの大項目は以下の通り整理することにした。

1.ファッションビジネス産業構造
2.ファッションマーチャンダイズ
3.ファッションマーケティング
4.ファッションマネージメント

(3) アパレル設計

鈴木委員、山口委員より提出いただいた案をもとに検討した結果、下記の意見があった。

@ アパレル設計はあくまでも工業製品としての衣服を理解させる必要がある。山口委員の案のままであると学生に誤解を招く恐れがある。


A 設計理論という名称であると被服構成学と内容的に重複する恐れがある。あくまでも既製服に特化した設計であることを強調した方がよい。


B 2設計理論はアパレルのためのパターン設計とするのが適当ではないか。


C パターンの次には縫製を置き、その後は製品評価へと続くことが適切である。

以上の意見に鑑みて、アパレル設計の大項目は以下の通りに整理することにした。

1.アパレルデザインのためのデザイン考案
2.アパレルのためのパターン設計
3.アパレルのための縫製
4.製品評価

(4) ファッションデザイン

雲田委員より提出いただいた案をもとに検討したところ、下記の旨の意見があった。

@ 大項目として「既成衣料とデザイン」があるが、ここでは特に「既成衣料」にこだわらずファッションデザインを大局的に扱っても構わないから、名称を変更すべきではないか。

以上の意見に鑑みて、大項目「既成衣料とデザイン」を「ファッションのためのデザイン」に変更することにした。

(5)「服飾史」

猪又委員、雲田委員よりそれぞれ案を提出いただいたが、ここでは猪又委員の案をベースに検討した結果、猪又委員案の大項目「現代の服飾」下に、雲田委員案(西洋服飾文化史)の大項目「20世紀の服飾」下の「現代モードの発達と展開」、「服飾と芸術」を加えることにした。

(6)「テキスタイルデザイン」

鈴木委員より提出いただいた案をもとに検討したところ、下記の意見があった。

@ 前回提出いただいた案では、2「設計理論」の名称が「素材設計」であったが、元に戻した方がよいのではないか。


A 1と2にそれぞれ「CG演習」と「CG設計」があるが、CGはテキスタイルデザインに特化して活用するわけではないから省いた方がよいのではないか。


B 制作は原則として項目から外すことにしているので、4の名称は「企画」に変更したほうが良い。

以上の意見に鑑みて、4「制作」は「企画」に変更することにした。


以上、次回委員会では、全科目の見直しと表記の統一化を図るとともに、報告書の授業モデルとして適切な科目を選出することにした。