社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第5回被服学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成18年1月23日(月)午後5時から午後7時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:高部委員長、猪又、鈴木、小倉、山口、雲田各委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

1. 被服学教育のコア・カリキュラムについて

 小倉委員より、「色彩」のカリキュラム案を提出いただいた。この案では、色彩学の「科学的な基礎」と「色彩表現にかかわる理論と演習項目」が提示されたが、ここではコアに該当する「科学的な基礎」を採用することにした。
また、これまで提出いただいたカリキュラム案の項目の見直しした結果、下記の通りに項目名を変更することにした。また、被服材料学については項目数が少ないことから、今後項目を補充していくことにした。

<染織加工学>
  1.概論 → 1.染織加工学とは

<テキスタイルデザイン>
1. 概論 → 1.テキスタイルデザインとは

<アパレル設計>
1. 概論 → 1.アパレル設計とは

<被服心理学>
1. 概要 → 1.被服心理学の意義

<被服構成学>
1. 人体の把握
  ・こども、大人、老人 → ・こども、大人、高齢者

<服飾史>
1. 概要 → 1.生活造形物としての服飾

<ファッションデザイン>
  1.概論 → 1.ファッションデザインとは

2. 報告書の内容・分担について

 事務局より、18年度発刊予定の報告書について、下記の旨の説明がなされた。

『報告書は18年11月下旬に開催される総会に向けて上梓することにしている。原稿の締め切りは8月末とし、9月から10月に掛けて編集及び改稿を予定している。授業モデルの数は、1委員会につきモデルを4モデル紹介いただくことにしているが、今回の報告書では、ITを活用した教育効果の検証に力点を置きたい。それ故、来年度前期の授業の中で、教育効果を測定するための実験を行っていただきたい。』

 以上を踏まえ、委員の実践されているIT活用方法について意見交換したところ、下記の意見があった。

山口委員
○ 被服材料関連の授業において、マイクロスコープを用いて実際の布の繊維を拡大し、学生に提示している。実際に学生が着用している衣服を題材とすることで、意欲の向上を狙う。

鈴木委員
○ アパレル設計の授業で、実験的に「衣服解体」を行っている。この授業は3人1組のグループに学生を分け、古着屋で購入したジャケットやパンツを解体し、製図を描かせて最終的にはプレゼンテーションを行う。その過程でCADやCGなどのITを活用している。設計のみならず衣服の素材に関する新たな発見や、プレゼンテーションでは学生自身が実際にビジネスを展開する場合の構想なども問うので、設計のみならず分野複合的な科目である。

雲田委員
○ 服飾史に関連して述べると、世界各国の博物館等服飾史に関する有益なWebサイトが存在するにもかかわらず、それらを授業中に活用している事例はあまり聞いたことが無い。服飾史に限らず、既存のWebサイトを授業中に有効活用する方法についても検討できるのではないか。

以上の意見を踏まえ、次回委員会では、委員各位より報告書に向けたIT活用方法に関する構想のメモを持参いただくことにした。