社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第1回医学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成16年7月27日(火)午後6時から午後8時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:内山委員長、松本、宮元、中木、吉岡、渡辺委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

1. 医学教育情報技術活用研究集会開催結果について

事務局より、2003年11月3日に開催された医学教育情報技術活用研究集会の開催結果について報告があった。参加者数は22大学34名であった。またアンケート結果中の今後本委員会に対する要望としては、国立大関係も含めた研究会活動への発展、個々の大学でなく私学全体の協力により共通のITカリキュラム用教材、講義集を作成し、標準化を図ること、外国の教材紹介や外国人講師によるレクチャーの導入などが挙げられた。

アンケート結果の教材の共有化については、問題点として、カリキュラムが各大学で公開されておらず、実際の授業内容が把握できないので共通化できる部分が不明確であること、仮にコアカリキュラムに準じたとしても、臨床科目が対象外になることなどが、委員より指摘された。また、コアカリキュラムでは、どの学習項目を最低限学習すればいいのかが明確化されていないため、結局学習範囲は大学の実勢に一任されている。また、大学によって、ある学習項目の配当学年もバラバラである。それを標準化しようとすると、大学のポリシーを崩すことになるのではないか、との意見もあった。

2. 本年度の活動について
事務局より、今後の委員会活動の指針について下記の旨の説明がなされた。

学系別教育IT活用研究委員会では、18年度に報告書の上梓を予定しており、執筆活動は17年度秋より開始する。報告書では、例えばコアカリキュラムに対するIT活用やEBMでのIT活用、シミュレーションを活用した教育など、ITに関する顕著な事例を3〜4つ紹介したいと考えている。本年度の委員会活動としては、報告書への準備期間として、必要に応じて実験の実施や外部より講師を招いてヒアリングを行うということも考えられる。

以上の事務局の説明に対して、下記の旨の意見があった。

・医学教育では、ITは教育の支援手段という位置付けで考えた方が良い。何か一つ良いコンテンツやシステムがあるから教育内容が改善されるというのではなく、例えば臨床実習の時には電子カルテを活用したり、チュートリアルの時にはシナリオをWebで提示したり、そのような細部での活用が積み重ねられた上で初めて効果が現れる。