社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第6回会計学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成18年3月30日(木)午後2時からより午後4時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:岸田委員長、椎名副委員長、高松、黒葛、木本、阿部、金川各委員
        井端事務局長、木田

V.検討事項


1. 報告書の授業モデルについて 


(1) 会計学入門
  阿部委員より、会計学入門コア授業内容モデル(案)について報告いただいた。
  今回提出いただいた案では、前回の意見(【T】に会計倫理・・アカウンティングマインドに関する項目を含めたほうが良い、【8】経営管理のための会計と【9】章原価計算の順序を入れ替えた方が良い、など)を踏まえて修正を加えたものである。詳細は配布資料を参照されたい。
  阿部委員の報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

  • 【8】原価計算、【9】経営管理のための会計の具体的到達目標が、原価計算単独で半期15回掛けて実施されるレベルに等しい。ここでは初学者を対象としているのだから、概念理解と大まかな構造理解程度の内容に留めるべきではないか。特に【8】【9】は計算構造にかなり踏み込む内容なので、この通りに授業を行うと学生が混乱を来たす恐れがある。
    計算構造に全く触れない訳にもいかないので、【8】を【9】に組み込めば良いのではないか。
    細かい内容を議論すると埒が明かない。コア・カリキュラムはあくまでも教員が授業を設計する際に参照するガイドラインである。実際の授業では、5ページで提示された授業モデル案のように、コア・カリの中から教員が任意に内容を抽出すればよいのではないか。
  • ここでの授業モデルは14回分の内容しか列挙されていないので、残りの1回分は演習を補充した方が良い。演習ではビデオコンテンツなどを活用した内容を想定したら良いのではないか。
    むしろ演習の時間は2回分設けたほうが良い。よって、第10回の財務諸表分析を除去して演習を組み込み、さらに第14回にもう1回演習を組み込み、「その他」は第15回へと移動するのが妥当ではないか。

 以上、コア・カリキュラム案は今回をもって終止符を打つこととし、授業モデル案については上記意見を反映いただくことにした。
  なお、具体的なIT活用方法としては、岸田委員長の構築するe-learningシステムを活用することとし、木本委員、黒葛委員、阿部委員に実際の授業で活用いただくことにした。さらに、大学間共通問題による試験を実施するために、問題提供の面でも協力いただくことにした。

(2) 財務会計
  会社法改正に伴い、コア・カリキュラムの見直しを高松先生と河崎先生に協議いただくことにした。


(3) 会計情報システム
  金川委員より、会計情報システムの授業モデルについて報告いただいた。詳細な内容は配布資料を参照されたい。なお、前回金川委員より提起されたコア・カリキュラムの解釈については、これまで委員会で検討してきたように「最低限押さえるべき学習内容」とし、金川委員の資料5ページ〜8ページのものを採用することにした。
  なお、11ページの(5)教材の内容と利用方法の内容は次回委員会までに補充いただくことにしたが、岸田委員長のWebサイトに掲載された総合記帳問題も活用いただくことにした。

(4) 管理会計
  岸田委員長より、商学部全コースの1年生を対象とした講義科目「会計学」より、管理会計に該当する内容の講義ノート資料、期末試験、学生による授業評価アンケートの結果について説明いただいた。詳細は配布資料を参照されたい。
  併せて、授業運営方法として、毎回授業後にレポート課題を提出させていること、PowerPointの使用は学生が嫌がるので板書している旨の説明がなされた。これを受けて、報告書ではIT活用の側面に限定せず、このような従来式の授業形態の重要性も説くこととした。さらに、e-Learningは学生に強制的に学習するための環境として、効果的であるとの意見もあった。

2. その他
これまでは専ら報告書における「4.ITを活用した授業モデルの事例紹介」についての検討を進めてきたが、次回委員会では、その他の項目(「1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標」「2.教育現場での課題」「3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性」「5.IT活用に伴う課題」)の内容についても議論することにした。なお、委員各位には、上記項目に関するメモを提出いただくことにした。