社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第2回経営学教育IT活用研究委員会議事概要
T.日時:平成16年9月14日(火)午後4時から午後6時まで
U.場所:私情協事務局会議室
V.出席者:藏下理事、野澤委員長、岩井、佐藤、松島、佐藤、和泉各委員
蟹Tフロンティア 鈴木氏、大角氏、畠中氏、(株)テレコンサービス 松澤氏
井端事務局長、木田
W.検討事項
1. 遠隔授業実験について
(1) 授業シナリオについて
11月16日に開催を予定している経営学複数大学間遠隔授業について、野澤委員長より授業シナリオ案の提出及び説明をいただいた。シナリオ案(一部抜粋)は下記の通り。
目的:1 大学でのITを用いる授業方法改善の実験をする。
2 企業経営の最新のトピックス・課題について、大学教育の中で認識を広げる。
参加:講師 慶應義塾大学 国領二郎先生、(株)Procter & Gamble 楢村文信氏
武蔵大学と阪南大学が、遠隔授業に直接参加(各教室30-50人?)。
他の委員大学は、ブラウザーで画面を閲覧し、評価する(間接に参加する)。
日時:2004年11月16日(火)午前10.40-12.20(2時限)
テーマ:「ユビキタス時代の新しいビジネスモデル」
―特に、無線ICタグ(RFID)の開発・実験の現状、今後の利用の見通し、これを生かすビジネスモデルについて、焦点を当てる。
授業シナリオ(案)
* 司会者1:遠隔授業の概要の説明(3分)
(実験の目的、参加者、システムの説明。講師2名の紹介。司会者2の紹介)
* 第1の部分:國領先生のお話(約20分)
ユビキタスネットワーク社会の幕開け、特徴
そこでの無線ICタグ(RFID)のはたす新しい役割。
* 第2の部分:企業専門家:楢村様のお話(約20分)
企業での無線ICタグ導入の実験の現状、
その活用(生産、流通過程)の利点、今後の見通しと問題点など。
* 第3の部分:再び、國領先生のお話(約20分)
ユビキタス社会での無線ICタグの可能性、
(生活の安全―トレーサビリティ、環境の保全に向けた利用の見通しなど)
新しいビジネスモデルの必要・課題など。
* 司会者2のまとめ(遠隔授業の普及の呼びかけ、講師への謝辞、結語)(3分)
(2)環境設定について
蟹Tフロンティア社より、遠隔授業の環境について下記の旨の説明がなされた。
T.システム概要
インターネット上で講義用多目的ソフト(Macromedia社製「Breeze」)を利用し遠隔授業を行う。講師2名が都内スタジオ(予定)及び国内事務所(詳細未定)から講演を行い、その映像及び音声を阪南大学並びに武蔵大学へリアルタイム配信する。
また、受講中、受講後の質疑を受け付けるため、在阪及び都内の大学へはビデオカメラとマイクロホンを設置し、質疑映像音声を講師側へリアルタイムで送信する。
さらに、その他の大学へもインターネット経由で講義映像音声をリアルタイム配信し、学生が視聴できるようにする。但し、視聴するだけで質疑応答への参加はしない。
U.システム構築要件
1)講演収録場所及び収録方法:東京のスタジオ、某事務所(ビデオカメラとマイクロホンで映像音声を収録し、ビデオサーバーにインストールされたWeb会議ソフトを使用して配信する。)
2)受講場所及び受講方法:
@阪南大学(講演映像をプロジェクタへ表示、音声は拡声装置経由で放送)
A武蔵大学(講演映像音声をノートPCとヘッドセットで視聴)
Bその他視聴大学(PC又はPCと接続したプロジェクタと拡声装置で視聴)
以上を踏まえ、授業運営方法について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。
・ 講師が遠隔地から一方的に講義をするだけでは、学生の集中力が損なわれてしまうので、受信大学は、主体的な授業運営を行う工夫が必要である。例えば授業の合間に講師の話を咀嚼して学生に解説するなどの必要があるのではないか。
・ 単に講師の話を解説するだけでは、教育テレビを観ながら教員が解説を加えるのと同じである。武蔵大学では、チャット機能を使用することができるから、講義の途中にも講師に対して質問したり、阪南大学ではマイクによって講師との遣り取りしたりして、インタラクティブ性を確保することが重要ではないか。
・ 講義開始前後に10分程度時間が空いているから、そこで武蔵大学、阪南大学がそれぞれ授業の目的を解説することで、独自性、主体性を展開することができるのではないか。
・ 学生が主体的に質問してくるとは限らないので、講師が予め学生に対する質問を用意しておくべきである。ただし、時間的に制約があるので、択一式あるいは選択式問題として、武蔵大はPC上で、阪南大は挙手によって回答させればよいのではないか。
・ 授業の目的として、経営学教育の側面から授業効果を明確化すべきである。
・ 教員単独による授業では、企業の実務までカバーすることはできないから、企業人による講義を素材として収集し、自ら授業設計していく必要がある。ただし、今回は國領教授が講義されることもあるので、今後実施するときには我々がその役割を担うべきではないか。
(3) 今後のスケジュール
10月26日と11月9日に3地点間で接続テストを行うこととした。また、授業シナリオについても、本日の意見を踏まえて調整することとした。