社団法人私立大学情報教育協会

平成15年度第1回機械工学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成15年6月13日(金)午後1時から3時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:曽我部委員長、角田、亀ヶ谷、新津、清澤、田中、森沢、田辺、河端委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

 1.平成14年度機械工学教育情報技術活用研究集会アンケート結果について

平成15年3月に開催された、機械工学教育情報技術活用研究集会参加者アンケートの集計結果が事務局より報告された。まず、特別講演に関する意見としては、企業における業績評価の方法や高知工科大学における教育業績評価の具体例を提示されたことは、大学における業績評価の導入に示唆的であったという意見が多かったなか、評価の必要性を認めつつも、企業の手法をそのまま大学に応用することもできず、評価の基準等を検討する余地があるとの意見もあった。

次に、委員会報告については、今後の授業運営の改善に参考となったという意見が多数を占めたなか、遠隔講義は各大学とも情報環境が異なるためなかなか実験ができないため、Web等誰もがアクセスできるような環境下で大学間連携できる体制が必要であるとの意見もあった。また、シミュレーションや演算等、学生はややもするとゲーム感覚でコンピュータを使用するので、その点で注意を払うべきであるとの意見もあった。

今後の要望については、今後も同様の集会を開催して欲しい、e-Learnig教材などをWeb上で容易に使用できる環境を整備して欲しい、集会の様子をVOD配信して欲しい等の意見があった。

以上の意見より、まず特別講演に対する意見を踏まえ、委員各位自大学での教育業績評価や授業評価への取り組みについて意見交換した。

  • 曽我部委員長:上智大学理工学部では、自己点検評価委員会を設置し、学生による授業評価を、マークシート、自由記述による手法にて実施しており、来年度集計結果の概要をWeb上で公開する予定である。その他には、機械工学科では、モニター教員による授業点検の導入も検討している。なお、学生評価の結果は、現在のところ真面目に教育に取り組んでいる教員の評価が低い傾向にある。
  • 森沢委員:武蔵工業大学では、授業評価の結果を教員の昇格の対象としている。しかし、授業の定員数に評価結果が左右されたり、あまり厳しくない教員の評価が高くなったりするなどの問題も発生する。

また、委員会の今後の活動に対して、教材に関する情報提供や大学間共通で使用できる環境基盤

整備を求める意見があったことから、教育方法のノウハウの蓄積や教材作成の技術的ノウハウなどの提供、また研究集会も継続して開催することとした。

2.Webによる機械工学教材データベースについて

Webによる機械工学教材データベース(http://www.tnb.sd.kanagawa-it.ac.jp/cgi-bin/wbd.cgi)について、委員会内で教材を登録することとなり、現在の登録状況について田辺委員より下記の旨の報告があった。

田辺委員自身は、静的問題、動的問題の計算力学事例を数件登録しているほか、川端委員より、基礎理論の計算力学事例(Mathematicaによる有限要素法)を登録いただいた。また角田委員には、流体問題の計算力学事例を4件登録いただいた。その他に、動的問題の計算力学事例を森沢委員に、また熱問題の計算力学事例亀ヶ谷委員よりそれぞれ登録いただいているが、適切な事例にリンクが張られていないので、URLを修正いただきたい。また、日本設計工学会の学会誌にデータベース紹介文執筆の依頼があり、2003年5月号に掲載された。

 また、委員各自より今後の登録予定について下記の旨の報告があった。

  • 曽我部委員長:マルチボディの解析に関するアニメーションを作成しており、完成次第Webにアップする。
  • 新津委員:PowerPointや課題のWordファイルなどマテリアルは持っているが、自身のWebページを持っていないので、即時的にはアップロードすることができないが、次回までにはアップロードできるようにする。
  • 田中委員:制御工学のバーチャル講義のサイトがあるのでそれをリンクさせる。
  • 森沢委員:衝突関係のデータのリンク先を変更させる。
  • 清澤委員:学科HPに学生向けの公式集や用語集を掲載する予定である。学科の許可が取れたらリンクさせる。

 その他に、河端委員より、@教材の著者に質問や意見などを送信できる機能を付けた方が良い、Aトップページにデータベースの目的や活用方法、企業への教材提供依頼文を掲載した方が良い、との意見があった。送信機能や目的、活用方法の掲載に関しては今後検討することとしたが、田辺委員より、企業への依頼の前に、まずは委員会の知り合い、次に私情協調査回答者に登録を呼びかけ、まずは教材を集めた上で依頼した方が良いとの意見があった。

 田辺委員の意見を踏まえて、まずは自大学の学科や知り合いの教員へ登録を呼びかけ、次段階として私情協調査回答者に登録依頼をメールにて発信することとした。なお、次回委員会までに、曽我部委員長より依頼文の雛形を作成いただくこととした。