社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第2回機械工学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成16年6月25日(金)午後3時30分から午後5時30分まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:曽我部委員長、角田、亀ヶ谷、田辺委員

W.検討事項

1. Webによる機械工学教材データベースについて

前回の委員会で、データベースの趣旨、利用上の注意事項、登録依頼文書の文案が確定し、またデータベースの登録件数が30件を満たした場合に関係教員に登録依頼文をメールで送信することが承認されたが、6月25日現在で登録件数が31件であったことから、本打ち合わせ会終了後に案内を送信することが確認された。
また、委員各自専攻分野のオーガナイザーとなり、データベース登録に望ましいWebコンテンツを捜索いただくこととしていたが、今回は角田委員、田中委員よりそれぞれ流体力学、ロボット工学のリストを事前に提出いただいた。これらのコンテンツに関しては、招待コンテンツということで、委員会より個別にリンク許諾の連絡を送信することとした。なお、招待文については、曽我部委員長に考案いただくこととした。

2.機械工学教育における産学連携とITの活用について
委員会の今後の活動方針として、企業・社会との教育レベルでの連携の確立を目標として掲げることとしたが、それに伴い考えられる連携方法や課題を意見交換した。

・ 前回に委員会では、企業人に協力してもらうには、社会的地位の付与が必要であるとの意見があったが、最初からこの問題をクリアしようとするのは困難であるから、まずはインターネット講師や教育支援者などの緩やかな地位を認可すべきである。

・ 産学連携といっても、大学が企業から教育支援いただくだけでなく、逆に大学も企業の社内教育などの面で協力しないことには成立しない。

・ 企業としても社内の知的財産を活用して新産業を構築しようという流れがある。大学も学外に対して知的財産を財源として活用する動きがあることから、その意味で産学連携は相互にメリットがあるのではないか。

・ 現状でもインターンシップ制などで教育の産学連携は実施されているが、企業の財政的事情のため、大人数の学生は受け入れてくれず、実際には卒後採用の青田刈りを目的とされてしまっている。

・ 最も身近な方法としては、大学のOBに教員の授業に対して社会人の立場からコメント・助言をいただくことである。大学OBは人材の宝庫であり、教員の直接的な教え子であれば、授業支援を取り付けやすい。またそのように学外の社会人に授業内容をチェックしてもらうことで、通用性の高い授業が構築できるのではないか。

・ 以前委員会で実施した実験のように、企業の第一線で活躍する方に5~10分だけでも良いので例えばインターネットを通じてメッセージを届けていただければ、学生のモチベーションも確実に向上する。

・ 世界の大学間で教育コンテンツの相互遣り取りをするとなると、必然的に教育内容の品質保証が求められる。そのためにも社会から大学教育に参与いただくことにより、通用性を高めていくことが喫緊の課題ではないか。

・ 社会からの意見を求めるため、例えば教員個人が出版物と同内容の教材をWeb上に公開しても、業績としてカウントされる可能性は低い。コンテンツの使用頻度に応じて、あるいは品質の内容を保証するための根拠に基づいて業績にアカウントするシステムが必要ではないか。

以上。次回委員会では、7月末日に開催される理事長学長等会議では、私情協として「社会に求める教育支援」の提案および学系別教育IT活用研究委員会より各分野別にアンケートを実施し、それぞれの要望を公開することにしている。それらの資料を踏まえて、より具体的な社会との連携方策を検討することとした。