社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第3回機械工学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成16年8月31日(火)午後3時30分から5時30分まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:曽我部委員長、角田、亀ケ谷、新津、清澤、青木、田中、森沢、
       田辺各委員、井端事務局長、木田
W.検討事項

1. 機械工学教育における産学連携について

はじめに、事務局より、7月30日に開催された理事長学長等会議での提案「教育の社会支援についての提案」について下記の旨の説明がなされた。

本提案は、大学教育に対する社会からの評価、とりわけ人材育成面での評価が厳しいことに鑑み、学生の意欲向上、教員の授業支援、及び社会人の授業参画による教育の質的保証に資するために考案されたものである。具体的には、@社会での現場情報・体験情報の紹介・説明、A知的情報の電子化と教育への利用実現、B実務経験者による授業の実現、C学習成果に対する専門家の助言・評価、Dインターンシップ、ワークショップ、調査実習の受け入れ、Ee-ラーニング等教育プログラムの共同開発を、主に情報技術を活用して実施・協力いただく。
今後は社会からの支援を得るために、文部科学省に対して政策提言するほか、経済各団体に対しても理解を得るよう努める。合わせて、支援依頼の方法や仲介機関の設置、支援内容・方法を研究する。
機械工学は、特に社会と密接に関係する学問分野であることから、上記提案のなかで、実現可能なものがあれば、是非提案いただきたい。

以上の説明に対し、機械工学教育における産学連携の実状や展望について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

・ オリエンタルモーター社では、大学に対して出前授業を実施している。費用については、有料、無料の2コースあるが、いずれにしても実際にモーターを持ってきて実験を行うから、学生に対して良い動機付けとなる。

・ 今後、企業は次世代の技術者を自社内で教育できる財政的余裕がないため、人材養成について大学に頼らざるを得ない状況になることが予想される。例えばインターンシップも、単に企業に学生を派遣するだけでなく、企業側と協力してカリキュラムとの連携などを図るべきである。

・ アメリカでは、企業による社会貢献が積極的だが、日本でも文化的に根付かせる必要がある。そのためには、文部科学省が企業の社会貢献を制度化する必要があるのではないか。

・ 退職された人材の活用も考えられる。例えば、HONDA自動車では、学生フォーミュラー選手権の主催を行うとともに、エントリーの審査をOBが行っているが、そのような企業は他にもあるのではないか。

以上、次回委員会では、委員各位より産学連携の具体的テーマと期待される効果をA4一枚程度に取りまとめ、持参いただくこととした。

2. その他

事務局より、Webによる機械工学教材データベースの現状について報告がなされた。
現在登録されているコンテンツ数は34件であり、8月中のアクセス数は159回であった。今年中に登録数100件を目指し、委員各位には継続してWeb上の機械工学関連のコンテンツを探索いただくこととした。
また、今後はコンテンツを探索するだけでなく、実際にデータベースを活用した授業モデルについても検討することとした。