社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第2回薬学教育IT活用研究委員会議事概要
�機テ�時：平成17年1月18日（火）午後2時から午後4時まで
�供セ箴雍┿�務局会議室
�掘ソ仞兵圈Ь昌魁∋害�副委員長、齊藤、黒澤、梶原、鴫原、大嶋、岩城各委員
井端事務局長、木田
�検ジ‘せ�項
- 松山副委員長による処方解析における教材コンテンツ活用例の報告
松山副委員長より、処方解析の教材コンテンツについて紹介がなされた。本コンテンツは、Sky Digital Chalkを用いて作成されたものであり、8分間のスライドと松山副委員長による説明が、同時進行される8分程度のものである。製作には約1時間程度しか要せず操作も容易であるので、誰もがデジタルコンテンツの作成をすることが可能である。また、画像の読み込みも可能であるので、権利関係の問題がクリアできれば、書籍からスキャンした画像をベースにコンテンツ制作することも可能である。
本委員会でも、各委員の担当分野ごとにコンテンツを製作し、一つのサーバーに蓄積して共用してみてはどうか。
以上の報告について、下記の旨の意見があった。
- 薬学教育コア・カリキュラムをひとつの分類の目安とすることが可能ではないか。
- 単に国家試験対策のためのコンテンツ作成ではなく、失敗事例や臨床薬学現場の情報をアーカイブ化して、薬剤師としての倫理性や社会での役割等学生に認識させる必要があるのでは無いか。日本薬剤師会では薬局・医療機関向けに調剤ミスの分析ソフトを無料配布することにしているが、教育向けにも同種のソフトが必要なのではないか。
- 失敗事例に関するソフトは、薬剤師会が作成するのであれば、その教育機関での応用方法を検討すれば良いので、本委員会として新たに作成する必要は無いのではないか。
(2)その他
事務局より、18年度発刊予定の報告書に関する説明がなされた。報告書発刊までのスケジュールとしては、17年度内に報告内容、テーマを検討し、18年度の初めに執筆活動を開始する。本委員会では、コア・カリキュラムが作成されたことに伴い、それぞれの項目に記載された教育目標達成のために有効なIT活用モデル、例えばe-Learningの活用、現場情報の導入、OSCEの遠隔カメラを用いた指導方法などについて検討いただきたい。
以上の説明に対して下記の旨の意見があった。
- 最近の薬学教育では、知識の一方的な伝達ではなく、学生が自分で必要な情報を調査収集し、自ら問題解決に向けて思考することを導く教育方法に方向転換している。具体的には、グループワークで自らの意見をプレゼンテーションし、それに基づき討論を進めていく。その時に現場の情報が必要であれば、学生は自ら薬局に出向くことが求められ、その能力育成に向けて教員も教育していかなければならない。
- CBT、OSCE、ケーススタディでのIT活用、情報調査のためのインターネットの活用は既に日常化されており、特徴的なIT活用方法とは必ずしも言えない。
- コア・カリキュラムの教育目標に対して、それぞれの項目に応じた効果的なIT活用方法を紹介することは可能と思われる。例えば、一つのIT活用手法にこだわるのではなく、処方解析であれば松山副委員長のコンテンツ活用例を教育目標到達に向けて効果的な一事例として紹介し、また別の項目においては他の活用方法を並列的に紹介するのでれば、意義はあると思われる。
- コンテンツ作成及び共有よりも、具体的な処方や症例など教材作成するに必要な素材、データの集積と教育での活用方法を提示することが、多くの教員の参考に資すると思われる。同じ症例であっても、学習項目が異なれば違うアプローチも可能であり、応用範囲は広い。その一例として松山副委員長のコンテンツ作成での応用事例など紹介していくべきなのではないか。
- まずはコア・カリキュラムの処方解析に関わる学習項目のSBOｓ達成に向けて、症例、処方データの収集方法、具体的な活用方法を検討すべきではないか。
以上の議論を踏まえて、次回委員会では、薬学教育モデル・コア・カリキュラム（日本薬学会）の処方解析に関わる項目（C15、C18、D1、D2）において、必要とされる症例・処方データ及びその活用方法について検討することとした。なお、症例・処方データのフレームワークについては、大嶋委員に叩き台を考案いただくこととした。 |