社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第3回薬学教育IT活用研究委員会議事概要

Ⅰ.日時:平成17年3月23日(水)午後3時30分より午後5時30分まで

Ⅱ.場所:北陸大学薬学キャンパス

Ⅲ.出席者:河島委員長、松山、山岡各副委員長、大嶋、岩城各委員、井端事務局長、木田

Ⅳ.検討事項

1. 処方・症例データが必要とされるコア・カリキュラム項目の分類について
  学系別教育IT活用研究委員会では、平成18年度中に報告書の発刊を予定しているが、本委員会では、薬学教育モデル・コア・カリキュラムが作成されたことに伴い、学習項目に記載された教育目標達成のために有効なIT活用モデルを検討することとなった。それを受けて、今回の委員会では、薬学教育モデル・コア・カリキュラムの主に処方解析に関わる項目、A全学年を通して:ヒューマニズムについて学ぶ、Bイントロダクション、C15薬学治療に役立つ情報、C18薬学と社会、D1実務実習事前学習から、IT活用の可能な項目を抽出し、授業モデルを考案するための分担を決定することとした。
  まず、大嶋委員より作成いただいた「目標に向かってのITの活用チェックリスト」を精査した結果、IT活用が可能と思われる項目として、A(1)生と死、C15(1)医薬品情報、C15(3)テーラーメード薬物治療を目指して、C18(3)コミュニティファーマシー、D1(2)処方せんと調剤、D1(3)疑義照会、D1(6) 服薬指導と患者情報を抽出した。
そこで、各委員の専攻を踏まえて分担を検討した結果、下記の通り分担が決定した。

  • A(1)・・・河島委員長、梶原委員
  • C15(1)・・・山岡副委員長、鴫原委員
  • C15(3)・・・齊藤委員、岩城委員
  • C18(3)・・・大嶋委員
  • D1(2)・・・松山副委員長、黒澤副委員長

 次に、抽出した各学習項目に関する具体的なIT活用方法について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

A(1)生と死について

  • 明治薬科大学ではe-Learningコンテンツの作成をしているので、その活用事例は効果的な授業モデルとして紹介いただけるのではないか。
  • 遠隔授業による大学間共同授業なども、この分野では実施可能である。

C15(1)医薬品情報について

  • 情報の検索・収集までを教えることは容易であるが、EBMについては学際的な知識・能力を要するために、IT活用以前に一般的な教授方法を検討しなければならない。
  • 情報検索・収集を行うためにインターネットを活用することは一般化しており、特色のあるIT活用方法とは言えない。

C15(3)テーラーメード薬物治療を目指して

  • 投与計画では、他の項目と異なり、検査値データを視覚化するシミュレーション教材が求められるが、そのために新たにプログラムを作成することは短期間では困難である。既存の教材を活用した授業モデルか、あるいは汎用性の高い教材を作成するのか、さらには投薬のケース問題を作成するのかなど、検討の余地がある。

C18(3) コミュニティファーマシー
   特に意見はなかったが、大嶋委員に次回委員会までに考案いただくこととした。

D1(2)処方せんと調剤

  • 松山委員が作成したスライド+マーキング+音声同期型のプレゼンテーションコンテンツを中心として、その教育効果と課題を検討いただくことが可能である。

以上の意見から、抽出した項目には必ずしもITを活用した教育方法に即さないものもあることが判明したが、次回委員会までに、各委員に各項目の到達目標達成に向けて効果的なIT活用方法を考案いただくこととした。