社団法人私立大学情報教育協会
平成１７年度第３回薬学教育IT 活用研究委員会議事概要
�機テ�時：平成１７年１１月１２日（土）午後1 時より午後3 時まで
�供ゾ貊蝓Ф眈覲惘‖膤�W10-318 会議室
�掘ソ仞兵圈Р賄膂儖�長、山岡副委員長、黒澤、佐藤、山村、大嶋各委員、井端事務局長、木田
�検ジ‘せ�項
１．報告書における授業モデルについて
（１）C15-(1) 医薬品情報【EBM】
山村委員より。EBM における授業モデル案について報告がなされた。この授業モデルの目標は、EBM 関連の用語の意味・定義を正しく理解させ、文献の評価能力を育成することにある。EBM に関連する用語は、統計学、疫学、臨床試験と分野が多岐に亘る上、英語力も必要とされるが、時間的制約のためにEBM の授業内で全てを復習することは難しい。そのため、EBM の実験デザイン、データの評価法を学ぶと同時に、各用語や英語に関しても自学自習できるような教材が必要とされる。ここで、ランドマークとなる論文を題材とした演習問題形式の教材が提示された。この教材は、論文や統計データから、実験デザイン（試験デザイン、盲検方法、二群の割付方法、試験期間、一次エンドポイント）、統計的数値、推測される実験結果を問うものである。この時点ではまだ紙ベースの教材あるが、CBT 形式でWeb に展開することも可能である。また、EBM 関連の論文に頻出する用語をリストアップしたExcel のシートも作成しており、演習問題との連携を検討し
ている。
以上の報告について、下記の旨の意見があった。
○ CBT 形式に加えて、学生が答えを間違えた場合に、サーバが弱点を診断し、自動的に復習
させるようなシステムにすればより効果を期待できる。
○ モデル・コア・カリキュラムに従えば、統計を学んだ上でEBM を学習することになって
いるものの、統計を弱点とする学生が多く、しかも医療統計は高度な数値的解析手法を要す
るため、統計的手法を完全に理解した上で文献評価することに至るのは現実的に難しい。こ
れに加えて統計を復習することのできるような教材もあることが望ましい。
（２）
大嶋委員より、コミュティファーマシーに授業モデルについて提起がなされた。コミュニティファーマシーでは、態度を学習するためのビデオ教材を用いた授業モデルを考案することにしているが、現在OSCE の方向性が定まらないため、教材のシナリオを作成することができない状態である。OSCE に際して現在生じている問題は、各大学の設備環境にある。OSCE は、各大学が共通した実験設備のもとに行う必要があるが、大学間の施設の整備状況には格差があり、そのために最低限の整備状況にある大学を基準とする可能性が高い。また、薬品の名称を、一般名称法と商品名称法のいずれを用いるのかも決定していない。
それ故、OSCE の方針が決まらない限り、いざ教材を作成したとしても、実際のOSCE にはそぐわないものとなる可能性が高い。それでも一年生の導入用教材として活用することは可能かもしれないが、まずはOSCE のトライアルが一巡し、方針が明確化してからここでの方向性も決定すべきではないか。
以上の提起は承認され、次回委員会にて松山副委員長にOSCE の方針をヒアリングすることにした。
２．その他
佐藤委員より、東北薬科大学における遠隔授業の取り組みと服薬指導の補助教材ついて紹介がなされた。
（１）遠隔授業について
東北薬科大学では、情報の授業の枠組みで、昨年より京都薬科大学と連携し、テレビ会議システムを用いた遠隔授業を実施している。さらに本年は、医療施設を経営する西教寺も加えた三地点間の遠隔授業を実施した。授業内容は、PowerPoint を用いた学生のプレゼンテーションを大学間で相互評価するものであるが、西教寺の住職の方には、医療施設を経営する目的や医療に従事する人に対して望む能力や態度について講演いただいた。
学生の評価は概ね良好であり、薬学部のみならず他の医療系学部との連携を求める声もあった。また、委員会内の大学との遠隔授業も今後必要に応じて検討したい。
（２）服薬指導の補助教材
東北薬科大学では、甲状腺機能亢進症を一般検査から予測する手法に関する研究を行っているが、患者のコンプライアンス向上を目的として、教育でも実際の患者の数値データを活用している。
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