社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第1回薬学教育IT活用研究委員会議事概要
�機テ�時：平成18年5月8日（月）午後2時から午後4時まで
�供ゾ貊蝓Щ箴雍┿�務局会議室
�掘ソ仞兵圈Ь昌撹�委員長、山岡副委員長、斉藤、佐藤、山村、大嶋、岩城、鈴木各委員、井端事務局長、木田
�検サ鳥�進行
はじめに、山岡副委員長より、報告書の授業モデルと執筆担当について、下記の旨の提案がなされた。
- 授業モデルとしては、コア･カリキュラム中のA(1)「生と死」、C15(1)「EBM」、C15(3)「テーラーメード薬物治療を目指して」、D1(2)「処方せんと調剤」をテーマとしていたが、前回の委員会にて執筆分担に変動があり、D1(2)は黒澤委員と大嶋委員に担当いただくこととなったが、両委員とも該当する科目を担当していないことから授業モデルの構築が困難である。そこで、処方せんに関しては、症例を豊富に抱え授業でも実際に利用されている松山副委員長にもご協力いただきたい。
- EBMは当初e-Learning的な取組みを実施することを考えていたが、「テーラーメード薬物治療を目指して」でもコースウェア的なツールを用いるために、IT活用方法が重複してしまう。そこで、EBMもコンピュータを使った統計学習という方向に軌道修正したい。
以上の提案については承認され、松山副委員長には処方せんデータベースの活用事例として授業モデル叩き台を作成いただくことになった。
（１）テーラーメード薬物治療を目指して（投与計画）
松山副委員長より、資料「TDM教育のためのサイバーキャンパスシステムの構築」について報告があった。詳細は配布資料を参照されたい。なお、本報告について意見交換したところ下記の旨の意見があった。
- 4年生を対象とした実習でも実践されていると言うが、むしろ大学院生や中小病院の薬剤師を対象に使用した方が現場的に役立つことが多いと思われる。その点を全面的にアピールするとともに、何らかの反応を得たほうが良い。
→ 病院薬剤師からコメントを頂戴する。
- 大学院の場合には、カリキュラムとともに具体的にどの科目でどの程度時間を割いているのか、といったデータがあると良い。
- この内容が、コア･カリキュラム中のC15(3)「テーラーメード薬物治療を目指して」のどの部分に該当するのかも明示したほうが良い。
以上の意見を踏まえて、修正いただくことにした。
（２）医薬品情報（EBM）
山村委員より、配布資料に基づき報告がなされた。なお、先述のようにここでは当初予定していたe-Learning的なものの活用から視点を変え、JMPとexcel活用による統計解析の基本的技術と知識の習得を目的とした。詳細は配布資料を参照されたい。なお、本報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。
- 報告書では、最初に概論的にコクランライブラリーの位置づけ等に触れていただき、その上で統計データを把握することが重要であるという流れに持っていきたい。特に資料中の問題3と問題４がEBMでは重要であることから、そこに重点を置いていただくとより良い内容になると思う。
- 一見すると薬学統計の授業モデルであるような印象を受ける。問題３と４があるためにEBMであることが認識できるが、仮にコアカリ中の薬学統計の授業モデルを想定すると、差異を付けることが難しいと思う。先の指摘の通り、総論的な内容を含めたほうが良いのではないか。
以上を踏まえ、ここでは問題３問題４に重点を置いた授業モデルとして見直していただくことにした。
（３）教育現場での課題
鈴木委員より、配布資料に基づき報告いただいた。詳細は配布資料を参照されたい。なお、本報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。
- PDAについては今後広く活用するとは思われない。むしろ携帯電話活用の方が可能性は大きいと思う。しかし、ベッドサイドに携帯電話を持ち込んでいいのかという別の問題が生じると思う。
→ 電波を出さなければいいのであれば、例えば休憩時間中にサーバーからデータをダウンロードするという活用方法は可能であると思われる。
- 大学間連携の重要性に触れているが、医療機関との連携の重要性も強調したほうが良いのではないか。
- 報告書のタイトルとして「FDとしてのIT活用」とあるが、まさにここでは改善すべき問題点や課題を列挙する箇所である。薬学のFDがある程度達成された段階では医療機関との連携も強く言えると思えるが、時期尚早ではないか。
- コア･カリキュラムで重点置いているのは人間教育である。薬学系の第三者評価でも人間性教育がどのように実践されているのか厳しくチェックされているし、またゆとり教育の影響によりこれまでとは異なる性質の学生も入学してくる。その点についても触れたほうが良いのではないか。
- 薬学教育者ワークショップでも、薬学教育の目指すべき教育技法が知識伝達型の教育ではなく学生自身に行動を起させるような教育へとシフトチェンジしつつある。FDの基本も学生自身が教育によってどのような変化が生じたのかという点にあり、そのためにどのような教育技法を捻出すべきかが教員に課せられた課題である。この点についてはむしろ教育改善のための授業開発・設計・運営の方向性で触れたほうが良い。
以上の意見を踏まえ、「２．教育現場での課題」については現状の問題点を列挙し、「３．教育改善のための授業開発・設計・運営の方向性」では「４．ITを活用した授業モデル」の総論的内容として、２で挙げられた課題解決のための新しい教育技法を示唆する内容を論じていただくことにした。
なお、次回委員会では「３．教育改善のための授業開発・設計・運営の方向性」（斉藤委員、佐藤委員）授業モデル「A1.生と死」（河島委員長、梶原委員）、「処方せんと調剤」（松山副委員長）より草稿を提出いただき検討することにした。
また、「１．コア･カリキュラムを意識した教育の到達目標」、「５．IT活用に伴う課題」は河島委員長に担当いただくことにしていたが、学事多忙につき場合によっては山岡副委員長に担当いただくことにした。
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