情報教育と環境
(1)NICE概要
情報化委員会および情報科学センターは、全学の協力を得てNICE完成に向け活動を開始し、1997年9月にはNICE稼動を迎えることができた。
ネットワーク方式は信頼性および拡張性を視野に入れ、ファーストイーサネット方式を採用し、将来のギガビットイーサネットへの移行に備えた。NICEの最も基本的なコンセプトは、学内全施設を高速光ファイバーケーブル(基幹ケーブルは100Base-FX(100Mbps))で接続し、本学の教職員および学生が必要なときに、コンピュータの設置されているいかなる場所からでも、ネットワークにアクセスできる情報環境を実現することにあった。
図はNICEの基本システムを示すイメージ図である。NICEは次のシステムからなっている。
1)教育支援システム、2)図書館情報システム、3)グループウェアシステム(Notes:教員・事務局系)、4)事務業務支援システム(GAKUENシリーズ:事務局各部課)、および5)インターネットシステム(ORIONSおよびWCNを介するマルチプラットホーム方式)。また、NICEには端末機として、学生用約280台(後述)、教員用約60台、事務用約130台および図書検索用約20台が接続されている。また、上記システムに対応して、サーバ15台が設置されている。教育用および業務用端末機のOSは、 WindowsNT Ver.4.0を主力として配置され、マルチメディア対応ソフトに配慮し、教育用として一部Windows98を導入している。
図 大阪経済法科大学NICEシステム全体構成
(2) NICEによる教育環境
NICEに接続される学生用端末機は、授業用としてIBM IntelliStation MPro等が150台(3教室各50台、うち1教室は後述のマルチメディア教室)、自習用としてIBM PC 300 XLが130台が導入されている。自習用機は授業開始の午前9時から、最大午後7時30分まで、学生に開放されている。
在校生には全員アカウントが与えられ、学生用機を利用して学内外とのE-mailの送受信を自由に行える(サーバ上のHDDを5MBまで利用可能)。また希望者には、ダイアルアップIP接続サービスにより、自宅にあるコンピュータからNICEへのアクセスも可能となっている。
また1999年3月には、文部省「平成10年度私立学校施設整備費補助金」の交付を受けて、マルチメディア講義室を整備し、VODサーバを核に動画像の編集・配信および学内における遠隔授業が可能となるNICEマルチメディア講義室システムを導入した。この結果、教育用コンテンツとして、従来のテキストデータや静止画像に加え、動画像も積極的に活用できる環境が実現した。
さらに、今年の11月には、ネットワークシステムの中心的ツールになりつつある、Web環境による教育支援システムを構築し、テスト環境ながら、シラバスのデータベース化をはじめ、学内における学生の分散協調型システム(グループウェア)導入等の試みを推進している。
(3)コンピュータ関連授業
NICE稼動が1997年の9月と年度途中であったため、情報化委員会のメンバーを中心に、同年後期のコンピュータ関連授業のテキストとして「NICEシステムガイド」を急遽編集して、授業に対応した。その内容は、ネットワークコンピュータの利用方法、WindowsNTおよびアプリケーションソフトOffice97の使用方法など、情報リテラシーの習得に力点がおかれた。
1998年度には本学で部分的にセメスター制が導入されたのに伴い、従来の「コンピュータ」を「コンピュータの基礎 I」および「コンピュータの基礎 II」へと改編し、そのための統一教科書として大阪経済法科大学「コンピュータの基礎」(康祥隆監修・大阪経済法科大学出版部、現在は<第2版>)を刊行した。さらにこれらの科目を履修し、アプリケーションソフトの習熟をめざす学生には、「コンピュータ応用A(ワープロ)」、「コンピュータ応用B(表計算)」、「コンピュータ応用C(データベース)」、「コンピュータ応用D(プレゼンテーション)」、「コンピュータ応用E(Visual Basic)」および「コンピュータ応用F(マルチメディアの活用)」を新たに開講している。
また、専門教育(経済学・法学)では、マルチメディア大講義室において、インターネット情報や画像データを利用した授業が一部で進められており、語学教育でもCAI(2201号)教室が外国語教育に利用されている。