学生が作成した英文履歴書をもとにSkypeを利用して海外講師と共同して海外遠隔授業を展開し、英語によるプレゼンテーション能力の向上、実務的な授業内容、海外講師との英語によるコミュニケーション、授業録画を利用した通訳練習に取り組んだ。
全学共通の1年生向け英語コミュニケーション教育において、大学独自のCan-Do-Listを作成し、「学習履歴」や「教師側の教授履歴」をオンライン上で記録蓄積し、教員間で共有・活用した。大学ガバナンスからの指示や財政支援により組織的に実施した。
英語によるリスニング力やスピーキング力の向上を図るため、コード・スイッチングという手法を普段の授業に応用した。英語から日本語、日本語から英語へと瞬時にスイッチングを学生に行わせることによって、英語に対する「潔癖主義」を補正することを目指した。
ベンダーと共同開発したタブレット用の3D人体イメージングアプリケーションを用い、ランドマークと関節運動の理解を支援することで、科目「基礎理学療法」への学習の動機づけとともに授業への集中度向上を試みた。その結果、授業の満足度が向上した。
聴覚障害学および音響学に反転授業を導入するとともに、学生のフォローアップを重視することで、学生の授業への主体的・積極的な参画実現を図った。その結果、学生間の討論が活発化して質問が増えたこと等に加えて、問題発見能力および学習到達度が向上した。
B-4 |
携帯アプリを用いた事後・自己学習の教育効果 |
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臨床検査技師養成課程の免疫学・輸血学の授業後の自己学習に携帯アプリを用いた用語学習ツールを導入した。授業で理解した専門用語を繰り返して学習できる環境を構築し、反復学習を促すことで知識の定着支援を試みた。システムの改善によって利用環境が拡大してきた。
B-5 |
教授錯覚発生頻度調査による講義内容の評価と改善 |
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プレ・ポストテスト結果の統計処理および質問欄への記載によって、教授錯覚の発生を教員に認識させ、授業を振り返らせることで授業改善を図った。解釈および問題解決レベルで錯覚が生じやすいことを明らかにし、Webを用いた補完によって学習効果が高まった。
B-6 |
経験と知識をナラティブに統合したマイクロレクチャー:次世代への健康社会継承の試み |
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公衆衛生学の授業に、ナラティブに構成されたマイクロレクチャーとボランティアとの意見交換を組み合わせた反転授業を導入した。その結果、授業の過程における思考と対話が実現し、学生が学ぶ医師と社会の関係について理解を深められた。
B-7 |
ITを活用した超高齢社会の到来に対応できる歯科医師の養成について |
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有病高齢者の歯科治療を安全に行える歯科医師を目指して3大学と関連歯科医師会の連携により3年生対象のeラーニングによる全身と口腔に関する基礎知識の習得、4年生対象のVPシステムを用いた臨床推論能力の養成を実施した。授業後アンケートから多くの学生に肯定的に捉えられ、理解度向上に貢献できた。
B-8 |
薬効・副作用の確認が体験できるバーチャルフィジカルアセスメント学習教材とその効果 |
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シミュレーション教育とICTを融合したバーチャル体験型フィジカルアセスメント(PA)学習教材を開発し、Web形式で無料で一般公開した。肺音、心音および腸音を指標としたリスニング試験では本教材使用後に一部の項目で改善効果が認められた。
B-9 |
逆転の発想から不適切な治療を議論する患者シミュレーターを使った体験型薬物治療学習 |
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高機能患者シミュレーターを使用し、薬物治療の適切・不適切を比較検討することで、患者の予後と治療の適否を学ぶ演習モデルの構築を試みた。“答えから学ぶ教育”ではなく、体というブラックボックスから考える教育を目指した。
B-10 |
医療系学部を有さない薬学部における他の医療系学部との連携を活かした多職種連携教育 |
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医療機関を有する大学と連携した多職種連携教育において、他分野の学生によるグループ討論で知識レベルの差がないよう事前・事後学修用のWeb教材を作成した。その結果、少人数グループでのケーススタディを効果的に進めることが可能となった。
B-11 |
学生間相互評価・Rubric評価とARCS型TBL−PBLハイブリッド統計演習 |
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統計解析のプロセスを実践的に体得させるため、ICTを用いることで、自由度の高い学生の課題発見・問題設定によるTBL−PBLハイブリッド型演習を実施した。また、Moodleを用いることで、発表・フィードバックと平衡して学生が設定した調査アンケート集約が可能となった。
B-12 |
試験後の事後学修に見通しを立てるための個人成績票の開発 |
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試験後の事後学修に見通しを立てるため、社会に出るために必要な知識を得た状態を到達度100%とし、現在の到達度を評価する仕組みとして、個人成績票を開発した。その結果、現状を認識させ学生ニーズを捉えていることが確認できた。
学生の学習履歴や学習レベルの多様化にも対応できる授業システムの構築を目標に掲げ、ICTの基本ツールとしてのレスポンスカード(クリッカー)を導入し、講義における教員と学生の双方向授業を実現した。学生の理解度をリアルタイムにフィードバックできることは有用であることが判明した。
多様な入試形態により学生の学力差が大きい中で、専門教育において1クラス120名の大規模クラスでも学力差を考慮した授業を試みた。水理学の授業においてICT利用教育は復習・予習に有力な手段であることを確認し、ICTを活用したレポート解説資料による反復学習の習慣がつくなど、学修方法の改善につながった。
B-16 |
基礎から専門へつなぐ工学系初年次教育における習熟度別学修システムの構築 |
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1年前期の物理系科目の初年次教育において、担当教員と専門科目教員が連携し、学生の習熟度に応じた学修システム構築・導入した。その結果、学生の学修意欲が向上し、主体的に学修に取り組んでいることが示された。
B-17 |
LMSを利用した段階的な小テストの実施に関する一考察 |
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LMSを活用したプログラミング科目において、受講生全員に一斉に小テストを実施せず、LMS上の演習問題を利用することで実現可能な段階的小テストを実施した。その結果、期末試験の成績と単位取得率に改善をもたらすことが確認できた。
B-18 |
ICTを用いたアクティブ・ラーニング講義システム |
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教員が簡単にアクティブ・ラーニングを授業に導入できる方法を模索し、安価な講義録画システムや、小テストの採点・集計をPDF化ファイルから自動得点集計できる方法などを実現した。
B-19 |
数理基礎科目における反転授業の実施とその教育効果 |
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積分・微分方程式の科目でICT教材を活用した反転授業を行った。ほとんどの学生が事前に予習を行い、授業で理解を深める活動や発展的課題への取り組みなど積極的に取り組んだ。学生の多くが授業で見直しを行うなどの取り組みを繰り返し行っているため、学習内容の理解度、および成績の向上が確認できた。
B-20 |
数学基礎e-Learningにおけるオンラインレポートの相互評価の取り組み |
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学生所持のモバイルデバイス(スマホなど)とLMSを活用し、数学レポート作成時に、自分で再学習可能な書式に整理する能力を培うことを目標とした。LMSに提出後の数学レポートの学生間相互評価を導入し、相互評価による学習成果の振り返りと次の段階への学習意欲向上を持てるように工夫した。
Cグループ
ICカードの学生証、ICカードリーダー、NFC対応スマートフォンを用いることで、授業内での出欠確認と同時の動的な班分け、グループごとの教材の電子的な設定や配布など、協働学修環境システムを構築し、毎回の授業開始時に運用した。
C-2 |
ICTを活用した学生間での受講心得情報の提供が協調学修の円滑化に及ぼす効果 |
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ICTを利用による「履修経験者からの受講心得」公開が実験演習での協働学修円滑化に及ぼす効果を検証したところ、私用欠席率が減少し、学修プロセス振返り調査結果では、「協調性」や「計画性」等の項目で導入前より評価が高かった。また、学部授業評価アンケートでも「シラバスを通じての到達目標の理解」「授業方法の工夫」の項目において導入前より評価が高かった。
アクティブ・ラーニングでの学修評価としてルーブリックを定着させるため、学生が評価と学びを連動できるようアクティブ・ボードを活用してPC上に優劣の学修物を見せたり消したりし、ホームページに掲載したルーブリックと学修物を例示した問題を解かせて周知徹底した。その結果、学生はルーブリックをイメージ化でき、自主的な学びにも繋がった。
C-4 |
スマートフォンと図書館情報を併用した能動的学修の促進 |
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授業時間外の学修を計画・実施し、教育効果をあげるため、2年次の演習科目において、スマートフォンなどを利用して、学生各自の関心事について継続的にニュース収集と発表を行い、それらを通して図書館情報の文献検索方法の学修を行った。その結果、能動的な学修にプラスの影響を与えた。
C-5 |
教員志望大学生の実験技能を高めるタブレット端末を用いたマンガ反転授業用教材の開発と学習評価 |
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小学校6年生理科の必修実験である気体検知管の操作方法について、物体燃焼後の空気成分濃度を測定する児童実験場面を描いたマンガで学修するコースウェアを開発し、それによる反転授業を実施した。授業前におけるマンガ反転授業用教材を活用した学修により、学生は学習内容に対して高い関心を持ち、十分な知識を獲得できた。
C-7 |
反転授業用のビデオ教材の効率的な作成による大学教育の改善 |
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PowerPointのアニメーションを取り込んで自動的にビデオ教材を作成するソフトウェアを用いて作成した「債権総論1」のビデオ教材によって、学生が教室外でワンクリックでビデオを視聴し、PDFファイルに書き込みながら自学・自修を進めることができる環境が整えられ、予想以上の効用をもたらした。
C-8 |
学修のインセンティブとしての反転授業の導入とアクティブラーニングの実施 |
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1年次教養科目の「発想学」において、ビデオ収録した講義と課題説明をクラウド上に掲載し、学生が授業前に視聴し、授業ではビデオで提示されたテーマについてKJ法等を用いてグループで課題解決を行い、その成果を発表させた。ビデオ学修や授業でのグループ学修により、学生の理解が深まる傾向が見られた。
C-9 |
プログラミングを必要としない高度な関数電卓型フリーソフトを活用した経済学理論教育 |
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広島修道大学経済科学部の「コンピュータ経済学II」において、関数電卓型フリーソフトを活用した結果、数学が苦手な学生でも高度なプログラミングを活用せずに方程式の求解や式から直接グラフを描写することが可能となり、経済学の理論教育において有益であることが明らかとなった。
C-10 |
会計学初等教育における反転授業の導入と効果 |
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会計学の諸概念の定着を図るため、事前学修用に授業支援システムに解説ビデオを掲載し、授業ではクリッカーによる確認テストと解説を行った後、理論演習と実在企業の財務諸表データを用いた分析演習をグループワークで行わせて発表させた。その結果、成績の向上が見られた。
C-11 |
「10分だけ反転授業」とスマートフォン版クリッカーの2年間 |
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学生の予習に対する意識を高め継続させるため、予習用動画閲覧に対する意識付けを行い、スマートフォン版クリッカーを用いた確認問題の内容改善等を行ったところ、予習用動画閲覧率の向上と学期中の閲覧率低下の防止、受講生からの高い評価、成績の向上が見られた。
C-12 |
パワーポイントを学習支援ツールとして用いたアパレル企画授業プログラム |
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ファッションディレクターの視点からデザイン企画を行わせる授業において、学生は毎回、課題に対して事前考察と資料データ収集等を行い、授業では担当教員と加工、編集・整理、プレゼンテーションツールを制作する積み重ね型のプログラムを構築した。その結果、パワーポイントの特性を十分に生かした課題制作物を完成させることができた。
C-13 |
実企業テーマおよびICT活用によるアクティブラーニング講義学習意欲向上事例 |
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企業の実テーマのもとでモバイルやスマートフォンを活用して実データに触れ、現状把握、課題抽出、戦略立案、実行というコンサルティング業務のプロセスを体験させた。その結果、学修意欲を高めることができた。
C-14 |
有効なICT活用に発展する「海外体験学習」を取り入れた魅力あるPBL演習の構築 |
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旅行企画論のPBL学修において、ICT利用に加えて、海外体験学習も取り入れた複合的な授業展開を構築した。海外展開の演習において、学生はICT機材を持参し、旅行素材の収集、カテゴリー化、分析などを行う。帰国後は、収集した旅行素材をICTを用いて整理、分析を行う。最終的にグループ別に発表を行った。
C-15 |
「海外リスク情報」データベースを用いた感性錬磨型学習の試み |
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データベースを用いた海外リスク情報の記事探索・要約・コメントを学生に課すとともに、外部からゲスト・スピーカーを招いて、海外リスクに留意することの大切さ、企業の海外安全担当者が実際にどのように海外リスク情報を活用しているか講義してもらった。その結果、海外リスクに対する知識、認識を高めることができた。
C-16 |
教職課程の模擬授業におけるICTを活用したフィードバックの改善とその効果の検証 |
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教職課程の模擬授業を録音し、評価者がリアルタイムで良い点・改善点のチェック、理由をキーボードで入力する学生同士によるピア評価を実施することで、模擬授業を行った学生は動画が再生しながらフィードバック内容を確認でき、コミュニケーションを通じた実践的な学びにつなげることができた。
C-17 |
ICT活用のマイルストーンと双方向授業による基盤教育の真髄 |
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「文章能力トレーニングの基礎I」において、学生が工夫しながら学ぶ様々な仕掛けを施したWeb課題として、宿題と中間試験を作成、実施した。学生にとって身近な携帯端末の利用により、学習習慣を形成し、様々な学修方法の体験の場を提供することができた。
C-18 |
多人数講義授業における議論構築の質保証とスマートフォン活用のリアルタイム情報検索 |
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授業科目「コミュニケーションと能力」において、議論構築の質を保証するために、スマートフォン活用と推論の評価指標を併用するリアルタイム情報検索を提案した。学修環境を整えることにより、討議による弁証にとどまらず、質の高い情報精査に基づく推論の論証に発展する議論が展開された。
日本近現代史を講義する教養科目において、国立公文書館のデジタルサイト「アジア歴史資料センター」を利用し原史料に接し、アクティブラーニングとして受講生に木下順二の戯曲「審判」第一幕を上演することにより、歴史を追体験させ、かつ事実と虚構の違いをも実感させることができた。
C-20 |
ICTを活用した文学教育における能動的・主体的学修活動推進の試み |
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「作家作品論D(近代)」において、学内ポータルサイトを活用した事前学修を徹底し、グループごとに担当作品を決めてプレゼンテーションとディスカッションを行った。授業後の振り返り学修と情報共有による学修の継続・発展を目指すことで、双方向のアクティブラーニングを実践した。
文責:ICT利用教育改善発表会運営委員会
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