事業活動報告 No.1

2024年度
ICT利用による教育改善研究発表会開催報告

 本発表会は、文部科学省の後援を受けて、全国の国立・公立・私立の大学・短期大学における教員を対象に、教育改善のためのICT利用によるFD活動の振興普及を促進・奨励し、その成果の公表を通じて大学教育の質的向上を図ることを目的として、平成5年(1993年)から開催しており、令和6年(2024年)で32回目になっています。
 今年度も引き続きオンラインによる発表会を開催し、発表者全員に13分による発表映像の提出を事前に求め、8月23日に会場から27件の研究発表を配信するとともに、質疑は各発表者からオンラインで実施しました。以下に27件の発表概要を掲載します。なお、発表会終了後、1次選考を行い、2次選考の対象5件を選考しました。発表会の視聴参加者は、発表者を除く85名(43大学、3短期大学、賛助会員3社)でした。その後、9月21日に2次選考を行い、1次選考の発表映像および発表会論文を精査して、2件の授賞を決定しまし、11月29日(金)の本協会第41回臨時総会冒頭に文部科学省専門教育課企画官立ち合いの下、表彰式を行いました(表彰式等の詳細は、本号の「私情協ニュース」で紹介しています)。

Aグループ

A-1 多人数授業で初年次学生が〈学び直し〉と〈学びほぐし〉を共に追究する学習環境の工夫
北海道教育大学   山口 好和

 倫理・人権に関する授業科目では、分かりやすく伝えるだけでなく、内容が自らの生き方に深く関わっていることを実感できるような工夫が必要である。そこで発表者らは初年次科目において、それぞれの学生が情報を丁寧に見つめ、他の学生との交流を通して自らの意見を相対的に捉え、蓄積し可視化する活動を「学び直し」「学びほぐし」と捉え、LMSやクラウド上の授業支援システムを活用して支援した。本発表では、授業の中で、学生が価値の相対化を志向していたことや、社会的関心を高めていた様子が紹介され、学習環境の工夫に一定の効果があったことについて報告があった。

A-2 Moodleを活用した入学前教育
大阪電気通信大学   斉藤 幸一

 近年、大学入試の早期化や多様化にともない、入学前教育を実施する大学が増えている。当該校においてはe-learningを導入して入学前の基礎学力の強化を図ってきたものの、その必要性が高い学生ほど取り組むことができていない傾向が見られた。そこで発表者らは、LMSと独自に作成したコンテンツを活用し、学科の紹介や教員、在学生からのメッセージを紹介するなどして、入学への期待感の醸成を促すことを試みた。本発表ではその成果として、以前に比べて、不安感が軽減したことや学習習慣の継続に効果があったことについて報告があった。

A-3 生成系AIによる数理科学の社会的浸透力醸成
他分野の考察を含むPDCAの早送り化
東京理科大学   金子  宏

 PDCAサイクルに関するスキルの低い学生は活動のための予測が不足することが多い。また、PDCAそれぞれの段階において生成AIを活用することには意義があり、活用事例も増えつつある。このような現状を踏まえて発表者は、授業実践において、学生のレポート作成に生成系AIを活用させ、多様な捉え方ができるように工夫し、他の学生が様々に考えることを予め予測できるように支援した。本発表ではその成果として、学生が扱った内容をより深く理解でき、他の学生との共有による効果も高まったことなどについて報告があった。

A-4 生成AIやメタバースを活用した授業に関する研究
帝京平成大学   矢作 信行

 我々は既にSociety5.0の時代を生きており、フィジカル空間だけでなく、仮想空間においても活動している。また、生成AIの普及も加速度的に進んでおり、両者を有効に活用することが重要になりつつある。発表者は教育実践において、生成AIを活用して自身の考えをより良くまとめたり、学習指導案の質の向上を図ったりすることや、仮想空間を活用して学び合いを促進することを試みた。本発表では、それらの目的が概ね達成され、一定の学習効果が認められたことについて報告があった。

A-5 プログラミング学習における音読の有効性に関する検討
神奈川工科大学   上田 麻理

 従来のプログラミング教育の一般的な方法として、提示された例題のプログラムを自らタイピングする「写経型学習」があるが、これに従来の国語や英語の自然言語学習で多用されている「音読」を取り入れて教育改善を試みた報告。音読学習用システムを開発し、学生を対象として効果をアンケート調査と近遠赤外線分光法(NIRS)により検証し、プログラミング経験のある初学者には黙読学習に比べて音読学習プログラミング学習が効率的であることについて報告があった。

A-6 プログラミング教育を通じた学生同士の学びの「場」の創出への取り組み
淑徳大学   山脇 香織

 プログラミング教育に「場」の理論を導入した「ShukuLabプログラム」の実践報告。この「ShukuLabプログラム」は、上級学生がメンターとして下級生を指導し、学生同士の情報共有や心理的エネルギーの高まりを促進することを目的としている。2023年度では、ITリテラシーの向上に一定の成果が得られたことが報告された。加えて、次年度の2024年度では、レゴスパイクを用いた学習など、新たな取り組みを導入し、より多くの学生が参加する場を形成していくことについて報告があった。

A-7 ハイフレックス方式によるPC操作を伴う演習授業の成果と課題
名古屋芸術大学   真弓 英彦

 オンラインによる遠隔方式には適しているとは言えないパソコンの操作を伴う演習授業では、「対面受講可能な学生数の加増」、「柔軟な受講方式の選択」および「学生端末のマルチOSへの対応」の3つの問題が生じているが、これを対面方式とオンラインによる遠隔方式のハイフレックス方式でこれらの問題の解決に取り組んだ報告。ハイフレックス方式によって上述の問題点を「パブリックビューイング教室の併設」、「カテゴライズとローテーションの導入」および「VNCを活用した遠隔操作」により解決しうることについて報告があった。

A-8 理工系各学科へ進学希望学生達の効果的なプログラミング教育:反転授業導入と教案活用
日本大学短期大学部   金  炯秀

 1年後学期から学ぶ「プログラミング基礎」の科目は、全分野の学生に履修することを推奨していたが、進路決定の一つとして編入学に必要なGPAの高得点獲得を目的とするなどの理由により、途中で履修放棄する学生も多く、改善策が必要であった。そこで、より多くの学生に当該科目の受講してもらうと同時に、全分野の学生に対し、興味を持ちながら最後まで取り組んでもらうことをめざし、事前学修として反転授業の導入と事後学修として教案を活用することで、その改善を試みた。単なる反転授業の導入に留まらず、教案を活用することで、教育効果の向上が認められたことについて報告があった。

A-9 ハピネスを可視化する活動を通じた学修意欲の向上に向けた取組
武蔵野大学   中村 太戯

 「SDGs基礎」という科目を通して学修意欲の十分ではない学生に対して、「ハピネスを可視化」して「他人ごと」ではない「自分ごと」という認識の変化を通じて学修意欲の向上に繋げようとする取り組みである。「自分」の描く「ハピネス」と「取り残されている人々」のハピネスの差をみる学習課題に対して、その記載文字数の変化に注目して数量化を行った。結果、2023年と2024年との比較において、文字数のピークが上方にシフトし、全体的に文字数の多い学生が増加したことから、「ハピネス」を「他人ごと」から「自分ごと」に捉えようとする認識の変化が確認できたことについて報告があった。

Bグループ

B-1 オープンソースを活用したオンライン授業支援
久留米大学   柏木 孝仁

 オープンソースとフリーウエアを組み合わせてオンプレミスのライブ・オンデマンド・双方向配信システムを構築して医療系学部において主に学内の複数の教室に分散する学生への授業に導入し、オープンソースとフリーウェアのみの利用によって高い費用対効果の下で十分な機能とオンライン環境を提供できたことが報告された。また、特にアクティブラーニングに用いた双方向動画配信については学内限定のため安定した回線速度を維持しかつ高画質でタイムラグのない配信をプライバシーに配慮して実施できたことについて報告があった。

B-2 救急看護領域のノンテクニカルスキル習得と臨床実践への関心を刺激するVR看護教育
福岡大学   大田  博

 ノンテクニカルスキル関連コンテンツを救急看護実習時のオリエンテーション、VR体験、デブリフィングに導入し、安全、適切、効率的なケアを提供するために必要なコアコンピテンシー獲得のために必須となるノンテクニカルスキルについて擬似体験を通じて学ぶことができる環境を構築し、臨床実践への関心の促進に一定の効果が得られたことについて報告があった。

B-3 Web小テストによる学習習慣の改善
愛知医療学院大学   田中 雅章

 理学療法分野の義肢装具学受講生の知識定着率向上を目指してアクティブラーニング(ハイブリッド授業)の事前、事後学習にスマートフォンに対応したWeb小テストを導入し、自動採点・フィードバック、解答状況のリアルタイム把握、教員からの声掛け等を行い、学習進捗状況と学習習慣の把握・分析によって、学生の理解度を向上させる可能性について報告があった。

B-4 薬学部低学年を対象としたICT活用型学習システムの構築とその教育効果
鈴鹿医療科学大学   石嶋 康史

 e-ラーニング・LMSを中心とするICTを活用した教育システムを構築し、1-3年次の8割以上の科目において毎回の授業内容に関する3-15門程度の設問を出題して学生は設定された期限までに全問正解となるまで繰り返し受験するルールを設定、解答の状況を教員が随時確認して必要に応じて注意、警告、個別指導する試みを導入し、導入後における模擬試験成績の向上およびCBT不合格者の減少傾向が窺えたことについて報告があった。

B-5 基礎看護学の授業における多方向同時型デモンストレーション動画教材活用の学習効果
佛教大学   岡田 朱民

 看護分野における生活行動援助技術および診療援助技術教育に2または3方向からの映像を同時収録して組み合わせた多方向同時型デモンストレーション動画教材を事前学習用教材としてLMS経由で配信し、授業時に内容の解説を加えるとともに学生各自が技術を主体的にロールプレイングで習得する環境を構築し、アンケートによって、8割以上の学生から、この教材が技術の習得に役立ったとの感想を得たことについて報告があった。

B-6 LMSを活用した反転学修:学修時間向上の戦略と評価
東京情報デザイン専門職大学   丹野 嘉信

 本研究は、LMS(manaba)を用いた反転学修を導入することにより、学生の授業外学修時間の不足を補い、授業内での深い理解を促進することを目的として実施された。大学1年生60名が受講した物理学(力学)の授業を対象とし、毎回の授業に対して15〜45分のオンデマンド動画が作成・事前配信され、動画視聴後に小テストを行う形となっている。また、LMS上に掲示板を設け、学生が動画視聴中に生じた疑問を掲示板を通して解決できるように配慮された。動画視聴時間の分析やアンケート結果から、約60%の受講者に対しては十分な学修機会を提供できたが、LMSに慣れていない学生等に対する対策が必要であるとことについて報告があった。

B-7 (発表辞退)

B-8 Podcastを活用したマルチモーダル予習による主体性と共創力の向上効果
工学院大学   橘  完太

 本研究は、Podcast配信を活用したInitiative Learning Spiral(ILS)とInitiative Group Discussion(IGD)を新たに開発して活用することにより、学生の主体性と共創力を向上することを目的として実施された。ILSでは、学生は週5日Podcast配信される「パターン認識ラジオ」(毎回約10分)を聴取し、内容をノートにまとめる作業をChatGPT等を活用しつつ計3回繰り返した。IGDでは、授業冒頭で各自がまとめた内容について少人数グループに分かれたグループ討論を実施し、理解を深化させた。Podcast再生時間の分析などにより、半数の学生は十分な質と量の予習が確保できたことについて報告があった。

B-9 オンデマンド授業により開示された学生の講義理解と相互理解
大東文化大学   山下 東子

 コロナ禍で余儀なく実施したオンデマンド授業だが、当初企図しない種々の教育改善効果を達成した。成績に関しては対面授業の年度と比較し履修者が20学科380名に及ぶ大規模授業に関わらず、広い履修者層からの授業理解を確認できた(成績上位者による得点分散の縮小、上方集中)。さらに時間制約のないオンデマンド授業の強みを活かし継続的小テスト後のフォローアップにも工夫を凝らした。履修者の動機づけでもニックネーム式による質問・要望等の投稿・掲示を小まめに行い、履修者の参加意識に貢献した。自宅の受講環境を効果的につかった課題内容の工夫も履修者の関心に様々な刺激を提供したことについて報告があった。

B-10 アイトラッキングを使ったICT教材によるコロナ禍以降の実験教育での効果、第二報
日本大学   岩淵 範之

 応用生物科学科でバイオテクノロジー関連の実験技術習得が必須であるなか、多人数の履修者を対象とし一定期間で一定の技能を習得させる効率的な教育方法確立に向けた試みの報告。基礎技術を習得させるうえで視線を可視化できるアイトラッキングを使用したICT教材の導入(2023年度)は、高学年におけるより専門的な実験においても採用し、技術習得に関する基礎から応用にわたって、履修者による操作の正確性、操作ミスの逓減、作業時の手際の改善に貢献し、実験技術の精度等で一定の効果が確認できた。このことは導入前の2022年度と比較しても明らかな結果となったことについて報告があった。

Cグループ

C-1 ICTを用いた日本語能力測定とその効果
城西国際大学   尾本 康裕

 留学生を対象とした日本語オンラインプレイスメントテストおよび伸長度の確認方法に関する実践報告である。以前はペーパーベースで行い膨大なリソースと時間を要していたが、オンラインテストをLMSに組み込むことにより運用の改善と学習ポートフォリオの役割も担うことが可能となった。半年ごとに「入り口試験」と「出口試験」を行うことにより伸長度の分析も行い教育の質保証に役立てている。今回は試験結果とアンケート調査に加えてテキストマイニングにより学習者の授業に対する意向調査も行い、クラスの進行速度、教材の難しさ、課題の量などに関する学習者の満足度調査も行った。その結果、学習の喜びや授業への満足度も確認できたことについて報告があった。

C-2 努力を促し思考問題の解決能力を向上させる思考力向上トレーニングの学習効果
近畿大学   吉川 武憲

 論理的思考能力の育成をめざす思考力向上トレーニングに関する報告である。このトレーニングには6つの努力およびそれを促す4つの工夫が組み込まれている。その中で特に既習内容を問題解決に活かすことに着目し、大学のプラットフォームであるGoogleクラスルームにオンデマンド教材を事前にアップして視聴させ、自己のペースで第1解答を作成させ、その後Slackを用いてクラスで共有を図り第2解答を完成させるという手法をとった。その結果、第1解答より第2解答の正答率が遙かに上がり、またトレーニング未経験者と比べてもトレーニングの優位性が証明された。学生への質問紙調査でもトレーニングが論理的思考能力の向上に有益であったことが裏付けされたことについて報告があった。

C-3 ICTを活用した事前質問集と振り返りレポート集の作成・共有による教育効果の向上
帝京平成大学   庄司 一也

 キャリア教育の授業においてICTを活用して学生の制作物をクラス内で共有する教育・学修に取り組んだ実践報告である。従来の授業では教育成果が上がりにくかったが、企業への事前質問集と講座後の振り返りレポート集をテキストマイニングと生成AIで分析・加工して計量化したデータを学生に提供して他者から学ぶ機会を設け、学生たちの気づきを促し就業意識を高めた。このデジタルを活用したキャリア活動支援を行った結果、学生たちの情報共有が促進されキャリア形成の面で教育効果を高めることができ、企業にも学生たちのリアルな意見を提供することによりインターンシップ受け入れ等で有益な情報とすることができたことについて報告があった。

C-4 情報とデータサイエンスの授業におけるメタバースを活用した教育効果の実証
明海大学   加納 久子

 情報とデータサイエンスの授業においてメタバース(DOOR)を活用した発表会を実施し、その教育効果の検証についての研究報告である。メタバース上でのアバターのリアクション操作や仮想空間のカスタマイズが、没入感や視覚的な魅力度に及ぼす影響について調査し、学生の興味・関心、印象、参加意欲などについても検証した。アンケートの自由記述欄では、多くの学生がメタバースを用いた発表会に対して、肯定的な反応を示していることが明らかになった一方で、メタバースを使いこなす上で苦手意識を感じている学生も一部いるという課題もあることについて報告があった。

C-5 基礎化学実験のLMSを活用したデータサイエンスの取り組み
明治大学   小池 裕也

 「数理データサイエンス人工知能リテラシーレベルプログラム」のデータリテラシー実習科目である「基礎化学実験1・2」での実践報告である。授業到達目標を自身で取り組んだ化学実験で得られる様々なデータを「読み、扱い、説明する」ことで、実験結果を正しく理解することを目的としている。
 オンデマンド実験教材を視聴した学生の対面実験での理解度が向上したことや、事前学習を学生全体に定着させるための工夫、「小テスト」について、「授業改善アンケート」の自由記述コメントに基づき、課題設定や解答条件の改善を試みたこと、アンケート結果によるいくつかの課題について報告があった。

C-6 市販のLMSによる振り返りを利用したメタ認知による成長の促進
東京都市大学   小林 志好

 学生が主体性を持っていれば、リテラシーを与えれば学習をして成長していくとの仮定のもと、学生自らの学び改善のためのワークショップと振り返りを重視する取り組みが紹介された。学習レベルは段階的に成長することを考慮にいれ、3年間で4科目を通して、1科目でレベルを一つずつ上げていくことを目標に展開された実践について、また、様々な学習レベルにおける振り返りの事例とそのコメントを学生に紹介することにより学生のメタ認知を促したときの学習効果について報告があった。

C-7 地域課題解決型AI教育プログラムにおける産学連携PBLの効果
久留米工業大学   小田 まり子

 2022年度から行なっている地域課題解決型PBLについて、年度ごとに取り組み方法を改善している。通年で継続的に行うのが難しいという課題について、カリキュラムから見直し、2024年度は特に大学オリジナルのメタバースを使用してそれを活用した取り組みの紹介があった。大学2、3、4年生、高校生、地域の社会人が協力して継続的にPBLを行うことができる枠組みを構築した。初年度PBLの修了者が大学院に入学し、現PBLにおいて先輩大学院生が後輩学生を支援するという良い循環が生まれていることについても報告あったが。

C-8 観光学習のための没入型シミュレーションの展開と効果
京都外国語大学   ハーキンソン エリック

 国際観光学科3年生を対象にした14週にわたるワークショップで、直径5m、180度の湾曲した視聴施設をもつU Theatreを利用し、京都の観光地をバーチャルに体験しながら、学生自身がVRツアーを作成する体験学習である。グループの協働学習によりVRコンテンツの共有と体験が可能となり、理論と実践の両方を体験することにより、学生の実践的スキルを向上させる。学生たちは、あまり知られていない場所の仮想ツアーを作成することにより、ガイドする際の安全性や群衆管理などの問題解決を学び、文化的な感受性意識を向上させるという結果が得られたことについて報告があった。

C-9 海外協定校連携科目群の構築による国際教育推進
明治学院大学   関口 幸代

 協定学のハワイ大マノア学(UHM)の正規科目を国内から遠隔で受講ができる仮想留学体験型学習の事例である。現地教員の講義をリアルタイムで受講できる、現地の学生と共に受講できる、民俗学などの専門科目にも参加できるなど、有意義な体験ができる。協定校へ長期渡航留学ができる学生は実際には少ないため、この仮想留学体験は実施5年目でのべ174名が履修し、希望者は増えている。このオンライン留学制度は、コロナ禍の産物ではなく、国際教育の一環としてはじめられた独自の事業であることについて報告があった。


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