第8分科会 教職員の協働を推進するITを活用したコミュニケーション
討議概要
本分科会は、ITを活用したコミュニケーション・ツールと教職員の協働の重要性についての認識を深めるとともに、自大学でのコミュニケーション・ツールの改善例や情報化を推進しようとする際に向き合わなければならない課題の認識、さらに、解決する視点を見出すことをねらいとした。
研修に先立ち、参加者は分科会への参加目的・達成目標・自大学が抱える課題、討議希望テーマのレポートを提出し、また、メーリングリスト上で参加者同士の交流を深めた。分科会参加者13名は2グループに分かれ、「ITを活用した教職員の協働の可能性」と「教職員の協働を推進するITコミュニケーション・ツール」をそれぞれ討議テーマとした。前者のグループでは、協働を阻む要因や協働を推進するにあたってIT導入段階、運用段階での留意点が討議された。
また、後者のグループでは、教職員の協働を推進するコミュニケーション・ツールのモデル構築が試みられた。そして、最終日にはグループ発表と相互評価により、両グループは検討経過を振り返り、研修後もメーリングリストを活用して最終結論をまとめている。参加者は大学の規模、状況を越えて、教職員の協働の実現に向けての課題に向き合い、課題解決の視点を見出そうとする創造的な討議ができ、さらには、自大学へ戻ってからの改善策を模索しようとする姿勢が見られた。研修後の参加者の評価シートを見ても、研修会のねらい、目標は概ね達成できたと評価される。しかし、討議の視点が職員や教員に留まり、卒業生や地域社会などのステークホルダーまで含めた包括的な討議まで発展しなかった点は今後の課題と考える。
報告書
討議まとめ
(1)分科会のねらいに関する結論
事前研修としてのレポートおよびメーリングリストによる参加者同士の交流により、スムーズな研修への導入ができた。また、メーリングリストを活用した事後研修の実施は、研修での討議を冷静かつ客観的に考え直す良い機会となり、研修後11月末まで続いた討議へは両グループとも全員が参加し、最終報告書をまとめるための討議を重ねた。この事後研修は、研修で学んだ多くのことを自大学でどう活かすかのアクションプランを考える上にも、有効であったと評価できる。
両グループとも「教職員の協働」の重要性については認識していたが、協働を阻害する要因を討議していくにつれ、それぞれの役割や垣根を越えるという議論から、大学の持つ社会的な使命を果たすためには、教職員を一体ととらえ、相乗効果を生む「知的協働体」として考え始めたことは、今回の両グループの討議の質の高さを示唆するものであったと考えている。
(2)討議テーマに対する結論
本分科会が達成目標として設定した項目は、共通目標および討議テーマの目標であるが、第1表に示すとおり、共通目標の2項目目「教職員の協働の必要性について明らかにできたか」は概ね達成されたと言える。また、討議テーマに関する達成度も概ね良好であった。しかし、項目7のステークホルダーについては、達成できておらず卒業生、地域社会および企業などを含めた包括的な討議が出来なかったことは、今後の課題である。
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