上手な聞き手となる
患者さんが何を求め,何を欲しがっているかを知るには,患者さんの話しをよく聴く事が肝心です。言葉は一般に,抽象的であり,とくに日本語は心情的に表現される場合が多いものですから,論理的に患者さんの意志をくみとらなければ,患者さんの期待にそう回答や販売はできません。そこに聴き上手が成功する糸口があります。もう一つ,成功するための要因は,患者さんは迷いを持つ孤独な存在であり,よきパートナーとしてのアドバイザーを求めているということの認識です。患者さんは自分から問い掛けることによりコミュニケーションを持とうとしており,また話し掛けるということが緊張からの解放にもなって,薬局に親密感を持つようになるのです。聴き上手は,そうした患者さんの心の解放の受け手として機能することによって,固定客を増やしていくわけです。薬剤師が十 分な専門学術知識を持っていても患者さんが何を 求めているかがはっきりわからないのでは,的確 な情報も提供できません。